【感想】BSこだわり館『BSアニメ夜話』第7弾
さて、久々のエントリは毎度お馴染みになりました、BSこだわり館『BSアニメ夜話』第7弾の感想です。
今回のラインアップは以下の3作品になります。
第1夜『千年女優』
第2夜『勇者ライディーン』
第3夜『鋼の錬金術師』
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さて、久々のエントリは毎度お馴染みになりました、BSこだわり館『BSアニメ夜話』第7弾の感想です。
今回のラインアップは以下の3作品になります。
第1夜『千年女優』
第2夜『勇者ライディーン』
第3夜『鋼の錬金術師』
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こんばんは。
5月 4日が「国民の休日」となる最後の日を、皆さんはどのように過ごされたのでしょうか?
Wikipedia によりますと、来年からは 4月29日が「昭和の日」となり、代わって 5月 4日が「みどりの日」になるそうです。
そして次の「国民の休日」は、2009年 9月22日(火曜日)の予定だそうな。
さて、第5弾の感想をアップしていないのですが、今回の第6弾はGW中の放送ということもあり、久し振りに感想をアップしようと思います。
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この感想は少しだけ勇気をもって、アップしています。
何しろ自分は、本名で活動しているのに加えて、試写会で戴いた代表室宛の葉書に、ここのパーマネントリンクを記していたりするのですから。
つまりはこの感想を西澤監督以下、多くの関係者も眼を通すことになるんですね。
そして、御堂会館で行われた試写会に参加していたところからも分かるように、自分も一応、この作品の関係者だったりします。
まぁ関係者といっても、グループ会社の下っ端社員なだけですけどね。
さて、どうしてこれだけのリスクを冒しながらこの感想をアップするのか?といえば、それはこの状況下に於いて、どこまで忌憚のない意見をアップできるのか?という、自分に対する挑戦でもあります。
阿諛追従に慣らされた眼には、この感想が罵詈雑言に映り、このままでは自分の社会的立場が危うくなるかも知れません。
ですが、そのリスクを乗り越える感想をアップできてこそ、自分も一人前になれるかな?という期待もあります。
果たしてこの感想は、作り手の方達に受け容れられるでしょうか?
これは自分にとっても作り手の方達にとっても、たいへん良い試金石になることを信じています。
少なくともうちの社内では、阿諛追従が当たり前になっていますからね。
自分はそれを打ち破りたい!
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さて、お知らせが遅くなったのですが、8月23日(火曜日)~9月22日(木曜日)の間、てりぃさんの特設サイトでは、「劇場版AIR」の第2回感想集計アンケートが行われています。
このアンケート企画は、てりぃさんが個人で行われているものなのですが、規模や内容的には、東映アニメーションや VisualArt's/Key が、リサーチ会社から購入しても構わないぐらいの立派なものです。
ですので、劇場版『AIR』(監督:出﨑 統)を少しでもご覧になったことがある方には、是非ともこのアンケート企画に参加して欲しいと思っています。
9月 3日(土曜日)の時点で、既に200を超える投票が集まっています。
これだけの数が集まれば、作品と鑑賞者による傾向が、かなり見えてくると思います。
このアンケート結果によって、劇場版『AIR』に対する造詣は、間違いなく深まることでしょう。
そしてそれを更に深めるものが、これからあなたが投じる一票なんだと思います。
それでは、よしなに。(敬称略)
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・第1夜:『未来少年コナン』(監督:宮崎 駿)
判っている人は、だいたい判っていると思うのですが、自分は余り、ネームヴァリューに左右されません。
それは宮崎さんも同様です。
宮崎さんの新しい映画が公開されても、それはたくさんある映画の中の一つとしか思えません。
ということで今回は別段、得るものがなかったです。
あっ、他のマスコミではチヤホヤされている宮崎さんに対して、色々な人が、ロリコンだの何だのといっているところは、面白かったです。(^^)
・第2夜:劇場版『エースをねらえ!』(監督:出崎 統)
皆さんのお話を聞いていて思ったことは、この'79年当時の出崎さんは、精力的に活動をされていたのだろうということ。
ですが、劇場版『AIR』に於けるその印象と、今回取り上げられた劇場版『エースをねらえ!』の印象には、それほど大差はありませんでした。
つまり、歯に衣着せぬいい方をすれば、成長が見られないのです。
ディスカッションの中でお名前の挙がった富野由悠季さんの今の作品は、きちんと現代の作品としての映像を備えています。
ですが、出崎さんのそれは、過去のものにしか見えません。
出崎さんは本当に今でも、精力的に活動されているのでしょうか?
・第3夜:劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』(監督:石黒 昇・河森 正治)
今回のラインアップで一番期待していたのが、この『愛・おぼえていますか』です。
今なお通用する、ハイクォリティアニメーション。
しかもそれを当たり前の話ですが、CGを用いることなく映像化しています。
これは驚異だと思います。
あとは、エンディングのスタッフロールも見所だと思います。
今では絶対に不可能な、当時だからこそ集結できたという面々が名を連ねています。
しかしながら今回は、ゲストの人選がよくありません。
板野さんがいらっしゃったのなら、どうしてそのお相手は飯島さんや土井さんではなく、深見さんなのでしょうか?
逆に深見さんがいらっしゃったのなら、どうして取り上げる作品が『MACROSS PLUS』(総監督:河森 正治)ではないのでしょうか?
その辺りが、勿体ないなぁという感じです。
さて今回は板野さんがゲストということで、やはりディスカッションの中心は"板野サーカス"。
ミサイル乱舞の原体験は、バイクに搭載したロケット(花火)ランチャ100連発!という話は、とっても面白かったです。
やはり、映像作家の原体験の話は面白いですね。
これからもこういったゲストを期待します。
それでは、よしなに。(敬称略)
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<音泉>内で好評配信中の『川上とも子のうさぎのみみたぶ』#348にて、『AIR』の神尾観鈴と『Kanon』の倉田佐祐理と『成恵の世界』の天堂 蘭の三人による、「パンツの唄」の輪唱を聴くことが出来ます。(爆笑)
これは観鈴ファンにも、佐祐理ファンにも、蘭ファンにも、とも蔵ファンにも必聴です。(笑)
なお、この#348は、2005/06/21(Tue)に#349へ更新されますので、興味のある方はお早めに。
あと、この#348でとも蔵さんから、2005/06/18(Sat)21:00~CX(フジテレビジョン)系列で放送される『ザ・リング』(監督:ゴア・バービンスキー)を薦められたのだけど・・・
これって堀江由衣さんが、貞子的な役で吹き替えられたものですよね?
どうしようかなぁ~これまでに面白いホラー物に、当たったことがないんだけどなぁ。
ですがこの『ザ・リング』は、地上デジタル放送であれば、ステレオ二カ国語放送ながらトゥルーハイビジョン放送。
どうしようかなぁ~
さて、取り敢えず、観るには観たのですが・・・
やっぱりホラー物はダメ、これが面白いとは思えない。
このDVDを購入して、何度も繰り返し観る人って、いったい何が愉しくて観ているのでしょう?・・・
自分には手の届かない世界が、そこには広がっていました。
ですが自分は、最後までこの『ザ・リング』を観ました。
それは何故かというと、井上喜久子17歳です。おい!おい!さん(オフィスアネモネ所属)の、素晴らしい演技があったからです。
昔から、喜久子さんにこういった芝居をさせればピカイチ(死語)だということは解っていたのですが、最近の喜久子さんが演じられる役といえばどれも、おっとりとしたお姉さんの役ばかり。
はまり役といえばその通りなのですが、喜久子さんの本領を発揮した役になかなか巡り会えないことに、隔靴掻痒の思いを抱いていました。
ですが今回の喜久子さんの役は、そんな自分の思いを吹き飛ばしてくれました。
観る者の頭にではなく、心に訴えてくるこのお芝居。
自分はこれこそが喜久子さんの、真骨頂だと思います。
これからも喜久子さんには、こういった役も演じて欲しい。
そんなことを感じた、今回の『ザ・リング』でした。
それでは、よしなに。(敬称略)
P.S.誰もとも蔵さんに、「ノシ」の意味を教えて上げないのだろうか?…
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2005/05/01(Sun)はWOWOWで、『CASSHERN』(監督:紀里谷 和明)、『APPLESEED』(監督:荒牧 伸志)が立て続けに放送されました。
どちらも、ハイビジョン5.1chサラウンドステレオ放送ということで、期待は高まります。
早くこういった放送形態が、今のステレオ放送のように当たり前になって欲しいと思います。
それで『CASSHERN』の方は公開当時に、ワーナー・マイカル・シネマズ茨木にて鑑賞しておりますので、今回は理解を深めるために観ました。
その時の感想はこちらに認めていますので、お読み頂ければ幸いです。
ということで今回は、『APPLESEED』の感想を認めようと思います。
ゴールデンウィークとはいえ、平日の昼間から自宅で、-25dBの大音声をもって観る映画って、凄くいいですね。
たまにこういった時間があるから、なかなかWOWOWとの契約を切れないんですよね。(苦笑)
ということで今回は、リアルタイムではなく、録画したものを次の日に観ました。
さて、そんな大音声のお陰で、目の前で大爆発音がするかと思えば、左後ろからは、とても小さな金属音が聞こえてくる。
そのぐらい音響面では、文句の付け所がなかったです。
MPEG2-AAC 5.1ch でもこれだけ聴かせてくれるのですから、DVDに収録されている dts 5.1ch では、もっともっと聴かせてくれることでしょう。
そして『APPLESEED』は「3Dライブアニメ」を標榜しているだけあって、映像面でも凄いです。
『ファイナルファンタジー』(監督:坂口 博信)が"静"を志向しているのに対して、『APPLESEED』は"動"を志向しているぐらいの違いでしょうか。
もう、このぐらいのレヴェルになると、CGだから云々、実写だから云々というカテゴライズはナンセンスだと思います。
どちらも背景美術には、甲乙付けがたいと思います。
ですが人物描写には大きな違いがあります。
『ファイナルファンタジー』は人物までもリアル志向で描いています。
そのため、総ての画面内のオブジェクトには同一密度のテクスチャが採用されていて、背景との違和感はなく、キャラクタも最後までその世界観に馴染んでいました。
ところが『APPLESEED』のキャラクタは総て、トゥーンシェイダーによってセル画タッチで描かれています。
そのためテクスチャ密度の違いから、カメラが引いたときなどに背景からキャラクタが浮いて見えてしまい、最後までキャラクタは世界観に馴染むことがありませんでした。
個人的にここは少し残念に思う部分なのですが、『APPLESEED』はこの手法を選択したからこそ一流のアクション映画になり得たと思います。
『ファイナルファンタジー』の手法では、ここまでのアクションは描けなかったものと思います。
何年後になるかは分かりませんが、『ファイナルファンタジー』の手法による、一流のアクション映画が生まれることを期待します。
次はストーリーについて。
もしも『APPLESEED』にこのストーリーがなければ、自分はこの感想をアップしていません。
そのぐらい、ストーリーが良かったのです。
どんなに映像技術が進化しようとも、映画にとってそれらが何のためにあるかといえば、それは感動を伝えるためです。
お話の感動なら小説でも充分ですし、映像の感動なら実験映像でも充分です。
ですが映画の感動は、そこに音響も加え、それらが渾然一体となって初めて伝わるものです。
いや、その渾然一体となった感動を伝えたいからこそ…そして観客はその感動を味わいたいからこそ、映画文化は未だに廃れずにあるのでしょう。
ですが、ネット上に散らばる感想を拝見しますと、やはり「ステレオタイプなシナリオ」とタイプしている人が…
それからもう一つ多いのが、「アニメ絵が云々」「リアルじゃないから云々」と…
いつも思うのですが、こういった、それこそステレオタイプな文句をいう人って、自分の審美眼がショボイということを宣伝しているだけだとは・・・まぁ、思っていないんでしょうね。(苦笑)
しかしながら、このストーリーとアクションが100%融合しているのか?と訊かれると、そこはちょっと弱いかな?と…
このストーリー展開は、アクションシーンのためにある部分が強いですし、あのラストなら、何もあれだけのアクションシーンを用意しなくても、描けたのではないか?と思います。
ですがそれでも『APPLESEED』は、観る人に愛を託した素晴らしい作品です。
宣伝などで「3Dライブアニメ」を前面に押し出しているため、映像面ばかりに眼がいってしまいますが、作品のコアは映像ではなく伝えたいものです。
一人でも多くの人に、『APPLESEED』を愉しんで欲しいと思います。
それでは、よしなに。(敬称略)
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ハイクォリティな夏の特番に引き続き、京都アニメーションによる『AIR』がまた観られる。
しかも今度はそれを、劇場の大スクリーンで!
自分は今、この嬉しさを一人で噛み締めています。(^^)
ニュースソースは映画情報誌、月刊エイプリルワンです。
個人的に、前の劇場版は残念な結果に終わってしまったのですが、今回は京都アニメーション制作ということでもう、すっかり安心しています。
しかも今回は、京都アニメーションとしては初となる、HD24p制作だそうです。
音響については記載されていませんが、映像がHD24pなら、音響はSDDSぐらいにはなるでしょう。
期待しています。
さて、気になる公開日は、2006年の夏の予定。
神奈と観鈴のあの夏がまた、再び…
P.S.今日は何の日でしょうか?(^^;
ということで、エイプリルフール企画はお楽しみ頂けたでしょうか?
てりぃさんに至っては、わざわざ新しいエントリを立てた上でTBを戴きまして、誠にありがとうございます。
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・第1夜『新世紀 エヴァンゲリオン』(監督:庵野 秀明)
こちらにテキストに起こされたものがあります。
みやむ~こと宮村優子さんのお話が、たいへん興味深かったです。
以前、JOQR『緒方恵美の銀河に吠えろ!』で緒方さんが、劇場版のラストシーンを再アフレコしたと、話されていました。
その時には、「みやむ~と一緒に、最後の台詞を3時間掛けて録り直した」「魂が震える作品になった」と話されていました。
また以前、OBC『宮村優子の直球で行こう!』では、みやむ~自身が"気持ち悪い"の台詞を生み出した話をされていました。
そして今回、その生み出されたときに、庵野さんから投げ掛けられた質問が、みやむ~の口から語られましたが・・・
(鴇羽舞衣風に)はぃ~?
泥棒にいつでも犯される状況下で、第26話の冒頭宜しく、その泥棒がオナニーしたら…って、そりゃぁ誰でも気持ち悪いでしょう。(笑)
でもあのラストシーンの台詞は、今でも「気持ち悪い」で良かったと思っています。
それと滝本さんは、流石だなと思いました。
岡田さんから「物書きとして言語化するとどうなるんですか?」と訊かれてもなお、「だって綾波ですよ?好きになるに決まってるじゃないですか」といい切った。
あのぐらいでないと、オリジナリティある作品は生み出せないなと思う反面、彼の担当編集者は相当に腕の立つ人でないと、コントロールできないなと思いました。
今度、『NHKにようこそ! Welcome to the N.H.K.』を読んでみようと思います。
・第2夜『映画 クレヨンしんちゃん「嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」』(監督:原 恵一)
動く藤原さんを初めて拝見しました。
国生さんが藤原さんに、サングラスを外すよう促されたのも分かります。
それで出演者の皆さんが、余りにも薦めるものですから、先程この映画の予約を入れました。
2005/04/02(Sat)10:10~WOWOWでの放送です。
でも、ステレオ放送なのが玉に瑕ですね。
5.1chサラウンドステレオにして欲しいです。
ところで、録画は出来ても、いつ観られる時間が出来るんだろう?
ちなみに自分は、1975年生まれですので、大阪万博を知りません。
ですが元実家は千里中央ですし、今でも茨木在住ですので、太陽の塔を始めとする万博記念公園には馴染みがあります。
果たしてこんな自分にも、この映画が愉しめるのでしょうか?
それと志らくさんは、他人の映画を貶して溜飲を下げる、ステレオタイプな人と感じました。
あれで彼の落語は、本当に面白いのでしょうか?
さて、頑張って観てみました。
ステレオ放送だったのですが、劇場版の名に恥じることのないDレンジの広さで、非常に聴き応えがありました。
ですが、やはり大阪万博の洗礼を受けていない自分には、そこまでのものを感じることが出来ませんでした。
出演者の皆さんが、あれだけ熱くこの映画を薦めていたのは、大阪万博という原体験があったからだと思います。
唐沢さんがいわれていたように、これは大人向け、それも1970年以前に生まれた方向けの映画なんだと思います。
・第3夜『新造人間 キャシャーン』(総監督:笹川 ひろし)
否定される方もたくさんおられるようですが、自分は『CASSHERN』(監督:紀里谷 和明)を、素晴らしい映画であると思っています。
詳細はこちらをご覧下さい。
それでこの原作の方は観たことなかったのですが、前述の『CASSHERN』とは、随分と趣の違う作品ですね。
何となくですが、原作にぞっこんの方が「こんなのはキャシャーンではない」といわれていたのが、分かるような気がします。
それでうちのNHK-BS2視聴環境では、BSディジタルよりもBSアナログの方が、映像も音声もハイクォリティです。
また自分の眼には、TOSHIBA RD-X3のD端子出力よりも、Victor HR-X7のS端子出力の方がハイクォリティに見えます。
ですのでうちでは、BS2のみ、X7で視聴しています。
ちなみに音声は、コアキシャル端子で、DENON AVC-A1SRに接続しています。(詳細はプロフィールページにて)
今回の放送も残念ながら、Aモードステレオだったのですが、それでも音が非常に良かったです。
観慣れているEVAの映像は、ダビングが繰り返されているためもう一つだったのですが、音声の方は低音がきちんと出ていて、とても心地良かったです。
また、大槻ケンヂさんの「たたかえ!キャシャーン」の熱唱も、実に良かったです。
あのカラオケは当時のものだと思うのですが、30年前のものとは思えない分厚い中音が、とても心地良かったです。
とにかく、音の良さに驚かされたのが、今回の『BSアニメ夜話』でした。
それでは、よしなに。(敬称略)
P.S. TBポリシーについては、こちらを参照して下さい。
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ネット上に散らばる皆さんの感想を拝見しまして、思うことがありました。
そこで改めて考察という形で、この文章を認めようと思います。
時は流れて2000年 9月。
VisualArt's/Key が、『AIR』という恋愛アドベンチャーゲームを生み出しました。
この『AIR』により VisualArt's/Key は、『Kanon』を嚆矢とする泣きゲーの地位を、不動のものとしました。
『AIR』は多くのプレイヤに、感動の泪を与えました。
そして2005年 2月、劇場版『AIR』公開。
続々とクォリティの高い映画が発表されている昨今、多くのファンは当然、『AIR』の感動を違った形で味わえる、たいへん素晴らしい劇場版が観られるものと期待しました。
ところが、実際に出来上がった作品は、出﨑演出による『AIR』風味の劇場版でした。
しかも今の時代、既に出﨑演出は下火となっており、今では珍しいタイプの演出となっていました。
どの分野でもそうですが、新しい表現方法は日々、多くの人々によって研究されています。
さてネット上では、劇場版『AIR』を観た人が口々にしていいました。
×「確かに『AIR』には違いないんだけど、期待していた物とは違う」
○「期待していた物とは違うけど、これはこれで面白い」
×「出﨑演出は今の時代には合わない」
○「『AIR』のことは知らないけれど、この劇場版は面白かった」
etc.
この件をもっとマクロに、エンタテインメントとして捉えてみるとどうでしょうか。
例え看板と中身が違っていても、実際に観てみてそれが、予想していたもの以上に面白ければ、それでその人は満足すると思います。
何しろお金を払って、エンタテインメントを享受しに来ているのですから。
では、劇場版『AIR』はどうだったのでしょうか?
皆さんの感想を総合しますと、『AIR』という素材と出﨑演出はまるで、相殺し合っているかのように見受けられました。
少なくとも、この二つの相乗効果がプラスに作用しているという意見は、見当たりませんでした。
実際、自分も、この設定は何のためにあるの?と、首を傾げた箇所が幾つもありましたから。
つまり、出﨑統監督以下制作スタッフ一同は、『AIR』という素材を使いながらも、その作品を劇場版の名に相応しい内容までには、仕上げ切れなかったのです。
もちろん作品としては、きちんとしたものに仕上がっていますので、それを面白いといわれる方は、たくさんいらっしゃいました。
ですが看板には、劇場版『AIR』を掲げているのです。
劇場版という言葉には、"お金の掛かった大作"というコンセンサスがある。
普通に面白いどころではなく、劇場版の名をほしいままにするだけの面白さが、要求されているのです。
『AIR』という素材を十二分に活かした感動が、要求されているのです。
そんな折り、皆さんの感想の中に、こういった意見がありました。
そもそも尺の関係から、長編シナリオで魅せる恋愛アドベンチャーゲーム『AIR』を、決められた時間内で魅せなければならないアニメーション作品にすること自体に、無理がある。
あの感動を、他のメディアで味わえるわけがない。
『AIR』という素材は、じっくりとテキストを読ませる恋愛アドベンチャーゲームをもって、初めて活きてくる。
ところが・・・劇場版『AIR』の公開に先行すること一ヶ月。
新進気鋭の石原立也監督以下制作スタッフ一同が既に、TVシリーズ『AIR』に於いて、これを実現しようとしていました。
その圧倒的な映像をもって、各話二十数分のアニメーション作品が、長編の恋愛アドベンチャーゲームの感動に迫ろうとしていました。
恋愛アドベンチャーゲーム『AIR』の感動から冷めやらぬ人はもちろんのこと、普段からゲームをプレイしない者でも充分に愉しめる、TVシリーズ『AIR』。
同じ『AIR』という素材を用いて、同じアニメーションという表現方法で制作されているのにも関わらず、その完成度がまるで違う二つの『AIR』。
多くの場合、劇場版の方が完成度は高いとされているのですが、この『AIR』に於いては、多くの人から「神懸かり的だ」と称されるほどに、TVシリーズの方が高いです。
この先行したTVシリーズの高評価も相俟って、相対的に劇場版への評価は芳しくありません。
こうなってしまった原因は、いったい何なのか?
シナリオ?絵コンテ?演出?原画?動画?仕上げ?背景?撮影?特効?演技?上映時間?予算?プロデューサ?etc.?…
この劇場版『AIR』も他の作品と同様、たいへん多くのスタッフが関わっています。
それぞれのスタッフは、その与えられた範疇に於いて、精一杯の努力をされたものと思います。
ですがシナリオは、パンフレットに掲載されていた第三稿の方が断然良いと専らの評判ですし、原画は時折、崩れるところが見受けられる。
また動画の方も、写真を燃やすところなどに不自然なシーンがあり、背景は精彩に欠けるところがあった。
何よりも全体的に、他の劇場版作品と比べて、お世辞にも潤沢な予算が掛かっているようには見えない…etc.
各パートの責任は、各パートに携わったスタッフにあると思います。
ですがこういったとき、映像作品の監督に関わらず、監督を拝命した総ての人は、その事業全体に関わる総ての責任を負うものと考えます。
つまり、例え個々にそれぞれの責任があろうとも、万が一全体が失敗したときには、それらを引っくるめて総ての責任を取る。
逆に全体が成功した暁には、総ての賞賛をそれぞれのスタッフの許へ還元する。
これこそが監督にしか出来ない栄誉ある役目であると、自分は考えます。
よって、劇場版『AIR』がこうなってしまった原因は、監督:出﨑統その人にあると、自分は考えます。
劇場版『AIR』は、劇場版としても、『AIR』としても名前負けの作品でした。
満足に表現されているものは、出﨑統作品としての映像だけでした。
これらのことから、出﨑統監督は他の能力に長けていたとしても、劇場版『AIR』の名を冠するに相応しい作品を生み出すまでの能力はなかったと、自分は判断しています。
それだけ原作ソフトの『AIR』が、偉大だったのでしょう。
それでは、よしなに。(敬称略)
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