2005/06/30

【感想】『フタコイ オルタナティブ』最終話「3人でいたい」

フタコイオルタナティブ The novel さて、思い知れ、関東地方!(笑)も、いよいよ最終話。
 これからも自分は、関東地方よりも先行する番組を待っています!



 

「愛についての物語」

 さてさて、『フタコイ オルタナティブ』(総監督:逢瀬 祭)は1クール(13話)を通して、本当に愛についての物語でいられたのでしょうか?
 最後の最後に、本作の主人公である双葉恋太郎(CV:関 智一)がそういっているのだから、『フタコイ オルタナティブ』は、愛についての物語で間違いないと思います。
 ですが、『フタコイ オルタナティブ』には、ケレン味が多すぎると感じています。
 愛についての物語の構成要素と、それ以外の構成要素ではどちらが多い?という問い掛けが愚問になるほど、愛についての物語は、ほんの少しだけしか感じられませんでした。
 それはもう、愛についての物語の方が、ケレン味じゃないのかというぐらいに。

 だけど、『フタコイ オルタナティブ』は面白かった。
 自分のこの感情に嘘はありません。
 ただですね、観終えた後に、「どうして正攻法でいかなかったのだろう?」という疑問は残りました。
 やはりそれは、ケレン味がなくとも充分にやっていけるだけの、映像のパワーを感じていたからです。
 今回のように、1クール分のテンションをケレン味で支えなくとも、これだったら愛についての物語だけで、充分に1クール分を描き切れたのではないかと思うわけです。
 奇しくも自分は同時期に、『英國戀物語エマ』(監督:小林 常夫)を観ていました。
 こちらにもインド象などのケレン味があったものの、トータルで観れば、"愚直"という言葉が似付かわしいぐらいに真面目な作品作りでしたし、何よりもそれで、愛についての物語として成功していたと思います。

 うーん、こうして頭で『フタコイ オルタナティブ』を理解しようとしているのはもう、素直にいって、『フタコイ オルタナティブ』は面白くなかったということなのかなぁ?
 けど、ケレン味は確かに多かったけど、それは決してマイナスファクタではなかった・・・と思う。
 いや、もっというと、ケレン味という名の不条理を、自分自身が理解しきれなかったということなのかな?
 もっとも、理解できないから不条理であって、理解できたらそれは不条理ではないのだろうけど…

 よし、もう一つ踏み込んで考えてみよう。

 「萌えアニメ」
 『フタコイ オルタナティブ』は、萌えアニメとして制作されました。
 これは間違いないと思います。
 では、『フタコイ オルタナティブ』は、萌えアニメたり得たのか?というと、これも難しいところだと思います。
 先程のケレン味の話にも絡んでくるのですが、萌えファクタはもちろんのこと、それ以外のファクタがとにかく多いのです。

 愛についての物語、萌えアニメ、探偵モノ、親子モノ、etc...

 この辺りが綯い交ぜになっていて、それこそが『フタコイ オルタナティブ』であるということは分かります。
 ですがこれらが相殺し合っているとはいわないまでも、シナジー効果が感じられないんですよね。
 そして、作品全体のクォリティが低ければ、「『フタコイ オルタナティブ』はつまらない」ともいえるのですが、個々のクォリティはかなり高いと思います。
 特に自分は、TVシリーズでこんなにも板野サーカスが観られるとは、思いませんでしたから。
 ですが、だからこそ自分は余計に、「正攻法で…」と思わずにはいられません。

 あと、タイプしておきたいことは、オープニング&エンディングアニメーションでしょうか。
 『双子の天使達が舞い降りてきて世の悪事をぶっ倒しちゃうぞ!』編と題しておきながら、アヴァンタイトルと統合された第12話を除いて、別ヴァージョンのオープニングが流れなかったのには、大いに肩を透かされました。
 逆に、エンディングのクレイアニメーションは、本編に合わせて適宜入れ替えられ、最終回にはそれ専用のモノが用意されるなど、実に観応えがありました。

 第1話の感想で自分は、「『AIR』に対する、2005年の最高傑作との呼び声に待ったを掛ける作品」と評していたのですが、こうして最終回まで観終えた今の感想を正直にいうと、そこまでのものはなかったかな?と…

 ufotable の次回作に期待します。


 それでは、よしなに。(敬称略)

| | コメント (4) | トラックバック (16)

2005/06/23

【感想】『フタコイ オルタナティブ』第12話「光ある場所へ」

 さて、思い知れ、関東地方!(笑)の第十二弾。

 今回はアヴァンタイトルから入り、そのまま『双子の天使達が舞い降りてきて世の悪事をぶっ倒しちゃうぞ!』編のオープニングはなしで、始まりました。
 ということで、次週の最終回には是非、最終回用のオープニングアニメーションを観せて欲しいものです。

 さて本編ですが、沙羅(CV:水橋 かおり)が驚いていたように、イカファイヤーを軸にしてこのストーリーを展開するのには、かなり無理があると思います。
 ところが、それがちっとも無理じゃないように見える。
 頭で考えると、ストーリーの土台はまるでなってないのですが、心で感じるストーリーは、凄くしっかりしている…
 自分はこの言葉を何度も繰り返しているのですが、とにかく『フタコイ オルタナティブ』(総監督:逢瀬 祭)は、不思議な作品です。
 何というか、映像にパワーがあるんですよね。
 恥ずかしながら、ゴスロリ仮面inドイツが出てきたときには、手に汗握っていましたよ。(^^)
 前回登場時には、「桜月姉妹は双子である意味がない」とタイプしたのですが、今回のアクションには、その意味があったと思います。
 特に姉妹揃って「さぁ、行って!」と恋太郎(CV:関 智一)に促すシーンは、アニメーションならではの一糸乱れぬ動きに、惚れ惚れしていました。
 もちろん後から冷静になって考えてみれば、どうしてあそこにゴスロリ仮面や霜島がいるんだ?という話になるのですが、観ている最中にそういったことは、全く気になりませんでした。
 多分ですけど、映像のパワーを信じているからこそ、こういった構成の作品を制作&製作できるのだと思います。

 それにしてもだ。
 ufotableの制作日誌によりますと、この6月23日(木曜日)放送の第12話が完成したのは、6月21日(火曜日)だそうな・・・
 本当にギリギリですね。(^^;
 そしてこのギリギリが、急場凌ぎで間に合わせたのではなく、少しでもクォリティの高い物をと頑張った結果であるから、頭が下がります。
 自分がこのエントリをタイプしている間にも、東京の片隅で『フタコイ オルタナティブ』というフィルムに魂込めている人がたくさんいるかと思うと、胸が熱くなりますね。
 自分は精々作品を観て、その感想を認めるぐらいしか出来ませんが、最終回には素晴らしい「3人でいたい」を期待しています。


 それでは、よしなに。(敬称略)

 P.S. ICPOの参謀が、早水リサさんですよね?

| | コメント (1) | トラックバック (18)

2005/06/16

【感想】『フタコイ オルタナティブ』第11話「燃える二子魂川」

 さて、思い知れ、関東地方!(笑)の第十一弾。

 しかし今までは、『CITY HUNTER』(原作:北条 司)の100tハンマー宜しく、ギャグはギャグ、シリアスはシリアスと分けて、番組に臨んでいたのですが・・・
 よもや、GHQによる財閥解体やDNA結合というギミックを用いて、イカファイヤー(CV:長島 雄一)を戦闘兵器として作品内リアルに組み込んでくるとは思いませんでした。(サイカノならぬサイイカ?)
 つーか最初、オープニング映像はいつも通りなのに、録画した番組を間違えたのかと思ったよ。(笑)
 そのぐらいあのシーンは、真面目にイカファイヤーを語りすぎ。(苦笑)
 でもホント、前回の感想にもタイプしましたが、『フタコイ オルタナティブ』(総監督:逢瀬 祭)って、多芸に秀でているなぁ。
 この調子だと、あのブラフにしか見えないオープニングや第1話だって、作品内リアルに組み込んできそうな勢いですね。

 さて、そんなイカファイヤーがシナリオの中心に居座ると、もう後は怖い物なし。
 首都高速道路(ですよね?)で、飛行物体であるイカファイヤーを、地面を走る白バイで追い抜こうとも、いつの間にか桜月組の屋根の上に複葉機の滑走路が敷設されていて、恋太郎(CV:関 智一)と双樹(CV:門脇 舞)が沙羅(CV:水橋 かおり)を救い出すために、その複葉機でドイツを目指そうとも、別に何がどうということはない。(よもや先週のドイツのパンフレットが、伏線だとは思わなかった)
 何しろ、イカファイヤーがギャグではなく、シリアスとして存在する作品なのですから。

 そして、冷静にシナリオを追い掛けると、キャラクタの行動に対するモチベーションは、かなりのご都合主義によって成り立っています。
 ですが、少なくとも自分は、手に汗握っていました。
 今となっては何故だか解らないけど、レースでイカファイヤーに勝てば、二子魂川の街は救われるものと思っていました。
 これは明らかに、あの映像の力ですね。
 途中、『さよなら銀河鉄道999 -アンドロメダ終着駅-』(監督:りんたろう)のメーテルの母宜しくというかそのまんま(苦笑)のイカファイヤーを、徹底的に見せ付けておく。
 そして、針山の機関銃や手榴弾による、圧倒的な攻撃をもってしても倒せないという状況を作っておく。
 そんな折、一度は敗れた恋太郎が、みんなの応援を背に受けて再び立ち上がり、もう一度イカファイヤーに戦いを挑み、そして勝利をものにする。
 いいね、これ。
 先程「ご都合主義」とタイプしたのですが、別にこれは辻褄合わせのネガティヴなご都合主義ではなく、この盛り上がる状況を作り出すための、ポジティヴなご都合主義ですね。
 これはレースの後、病院のベッドに横たわる恋太郎に、「この怪我に果たして意味なんかあるんだろうか?」と独白させているところからも、わざとご都合主義にしていることが、見て取れます。
 ですからこれを、ご都合主義だといって切り捨てる人がいても不思議ではありません。
 だってご都合主義なのですから。
 こんなに愉しいご都合主義は、久し振りです。

 しかし、鼻でピーナッツを喰う方法を捜すのに手一杯だったとか、ホントどうでもいいところまで下らない理由を付けているのに、何の脈絡もなく桜月組に複葉機を用意していたりと、シナリオに対する力の入れ所が、自分のそれとは随分と異なります。
 ですがいずれにしてもこれは、手練れの仕事だと思います。
 脚本の金月龍之介さんって、いったいどういう人なのでしょうか?
 また一人、頭の中を覗いてみたい人が増えました。(^^)

 ところで、ラストシーンで複葉機を見上げていた紫和泉子の中には、いったい誰が入っていたのでしょう?
 それと、ラストシーンの雛菊姉妹は、もう少し上手く複葉機の横をなめていって欲しかったです。


 それでは、よしなに。(敬称略)

| | コメント (4) | トラックバック (15)

2005/06/09

【感想】『フタコイ オルタナティブ』第10話「クマのように舞い、イカのよう刺す」

 さて、思い知れ、関東地方!(笑)の第十弾。

 野球中継のお陰で30分遅くなったため、ただでさえも遅い放送開始時間が、今夜は3:40~・・・
 やはり寝る前のEPG(電子番組表)チェックは、欠かすことが出来ません。

 さて、双樹(CV:門脇 舞)の養育費として差し出された、ざっと二千万円ぐらいはある札束を、頑として受け取らない恋太郎(CV:関 智一)。
 そんな恋太郎に対して、三ツ木グループ秘書室長:霜島 涼(CV:伊藤 栄次)は、「要するにガキってことか?」と挑発する。
 だが、双樹を幸せにする具体的なプランを何一つ持たない恋太郎は、そんな霜島に対して何もいい返せなかった。
 つまり、図星だったのだ。
 ちなみにこれは余談ですが、胸の大きさで女が決まる訳ではないように、チンコの大きさで男が決まるわけではないと思うのですが、皆さんのはどうなのだろうか?(そんなこと訊いてどうする?(笑))
 このあと、双葉探偵事務所の残骸を目の前にして恋太郎は双樹に、「公彦さんとこ、帰れよ」という。
 そんな恋太郎に対して双樹は再び、「私を捜して」と依頼する。
 この、再び繰り返された双樹からの依頼は、レーゾンデートルの確認作業なのでしょうか?
 番組開始時に示されていた「三人でいたい」というテーマに対して、理詰めではなく、キャラクタの感覚によるアプローチを掛けていると捉えれば、これらの行動には合点がいきます。
 お互いを求め、求められることによって、お互いのハッピーを確かめ合う、恋太郎と双樹。

 しかしこの銭湯シーンにあった双樹の下着姿が、本当に良く描けています。
 まるでインナーのパンフレットのように、エロスはまるでないですし、骨格もきちんと取れている。
 そして、こういった部分動画の一枚絵で魅せてくるかと思いきや、その後の紫和泉子(*1)恋太郎vsイカファイヤー(CV:長島 雄一)戦では、'80年代を彷彿させるような大きなアクションで魅せてくる。
 本当に『フタコイ オルタナティブ』(総監督:逢瀬 祭)は、多芸に秀でていると思います。

 さて、そのイカファイヤーに「いらねぇよ」と切り捨てられた恋太郎は、「(何もかも忘れて)どこか、遠い国へ行きたいのですが」と、伊國屋書店の店員に呟く。
 そこまで落ち込んでいた恋太郎に朱雀婆さん(CV:真山 亜子)は、「父親そっくりの自惚れた思考回路だよ」と、諦めとも励ましとも取れる言葉を投げ掛ける。
 この台詞がきっかけとなって恋太郎は、ようやく双樹を捜し始めます。
 第6話の「どうして好きなのに別れちゃったの?」が、ここに掛かっているのですね。
 双樹を幸せにする何かが欲しかったのか、意地でも親父を超えていきたいのか、はたまたその両方なのか?
 いずれにしても、ノープランなのは相変わらずですが、少なくとも「公彦さんの方が…」ではなく「俺が双樹を幸せにする!」という腹積もりは固まったようです。

 さて、オープニングは相変わらずなのですが、今回もまたエンディングが変更されていました。
 ノンヴォーカル・ピアノソロヴァージョンの「ぼくらの時間」。
 かと思いきや、前回の双樹と沙羅の泣き叫びの映像とともに、ラストの「戻ることのない日々、ココロを残して…」の部分だけがオンヴォーカルとなり、更にそのままTVCFを挟まずに次回予告へ。
 この次回予告もピアノソロをバックに、「もしあのとき沙羅と双樹を抱いていたらハッピーになれたのだろうか?」の手書き文字。
 「FILE11 燃える二子魂川」
 恋太郎が二人に手を出さない理由が未だに不明なのですが、『フタコイ オルタナティブ』のこういった演出によって、自分はぐいぐいとこの雰囲気に引っ張っています。

 そういえば今回は、沙羅の出番がなかったため、水橋さんのお名前自体が、クレジットされていませんでしたね。
 それと長島さんは、ノリノリ(死語)でイカファイヤーを演じられていましたね。(^^)

 次回も愉しみにしています。


 それでは、よしなに。(敬称略)

 (*1)『D.C.P.C.~ダ・カーポ~プラスコミュニケーション』(2004 CIRCUS)に登場するクマのこと、CVはみずのかっぱさん。

| | コメント (0) | トラックバック (19)

2005/06/02

【感想】『フタコイ オルタナティブ』第9話「ふたこい」

 さて、思い知れ、関東地方!(笑)の第九弾。

 沙羅(CV:水橋 かおり)・双樹(CV:門脇 舞)・恋太郎(CV:関 智一)の正三角形から沙羅が抜け落ちると、この正三角形はどうなってしまうのか?…
 今回はそんなお話でした。

 冒頭の双樹と恋太郎の二人しりとりでは、どうしても「ふたこい」に落ち着いてしまう二人。
 あの三人はやはり、三人でないとダメなのでしょう。

 気分転換に高島屋へ向かった二人。
 店内では大きな買い物カートにたくさんの商品を載せ、レジではお金を支払わず、警備員に追い掛けられながら屋上を目指し、屋上のサーキットを双樹はすくみず(!)、恋太郎はブリーフ海パンで駆け抜けた後は、豪快に屋上からジャンプ!
 このアニメーションならではの荒唐無稽さをもってしても、決して埋まることのない大きな穴である沙羅…
 映像的には明らかにギャグなのですが、自分はこれっぽっちも笑えませんでした。
 二人が悲しさを紛らわしている感が、それを大きく凌駕していました。

 恋太郎達がどんなにやり直しを要求しても、決して時間は元には戻らない。
 「もしも」をどんなに考えても、「もしも」なんて「ない」に決まっている。
 あるのは「今」だけだ。
 しかし恋太郎は、それでも「もしも」を考えてしまうという。
 そして今回のラストシーンは、三人で青空を舞い上がっていくイメージ。
 あの青空の彼方には、本当にハッピーがあるのでしょうか?…
 そんなことを淡々と伝えてくる『フタコイ オルタナティブ』(総監督:逢瀬 祭)は、幻想と現実の狭間に位置するような、そんな不思議な作品と受け止めています。
 現に双樹と恋太郎は今回、現実とある仮定の間を、まるで振り幅の激しい振り子のように、行ったり来たりを繰り返していました。
 そして今回のサブタイトルは「ふたこい」だったのに、次回のサブタイトルは「クマのように舞い、イカのように刺す」ですからね。
 振り幅が激しいのは、作品全体を通してのものと思っています。

 また来週も、心が揺り動かされるのを愉しみにしています。


 それでは、よしなに。(敬称略)

 P.S. 今回のサブタイトルは、本編を尊重して平仮名表記にしています。

| | コメント (2) | トラックバック (15)

2005/05/26

【感想】『フタコイ オルタナティブ』第8話「サはさよならのサ」

 さて、思い知れ、関東地方!(笑)の第八弾。
 オープニングはいつも通りでしたが、エンディングは変更されていました。
 またこのエンディングがいい雰囲気なんです。
 双樹(CV:門脇 舞)の許を去った沙羅(CV:水橋 かおり)。
 そして、この二人をどうすることも出来ない恋太郎(CV:関 智一)。
 この状況をもってして、過去を振り返る想い出のアルバム。
 クレイアニメーションの手作り感と、eufoniusが奏でる「ぼくらの時間」の別ヴァージョンが重なって、とても温かい雰囲気に包まれました。
 それこそこのエンディングをもって、今回が最終回でも構わないぐらいに・・・
 だけど、過去の想い出が良ければ良いほど、相対的に今の状況が悲しく思えてきます。
 結局、抱くことが出来なかった白鐘姉妹から吐かれていた嘘…
 タイムリミットのことを予め知っていたとしても、俺に何か出来たのか?と自問自答する恋太郎の無力さ…
 今回のサブタイトルは恋太郎が、小鳥の死骸の上に掛けてやったハンカチの上に書かれていました。
 これは無力なものの上に、今回の「さよなら」が成り立っているという暗示だったのでしょうか?

 今回は観終えた直後よりも、こうしてそれを思い出しながらタイプしている今の方が、心にグッと来ますね。


 普通に考えれば、知り合いの双子が16歳の誕生日を迎えるときに、そのどちらかと婚約しなければ今の地位を剥奪される代表取締役というのは、明らかにおかしいのですが、そこは『フタコイ オルタナティブ』(総監督:逢瀬 祭)。
 これまでの荒唐無稽さを鑑みると、このぐらいは至って当然の設定と思えてくるから不思議です。


 それでは、よしなに。(敬称略)

| | コメント (2) | トラックバック (16)

2005/05/19

【感想】『フタコイ オルタナティブ』第7話「双葉恋太郎最初の事件」

 さて、思い知れ、関東地方!(笑)の第七弾。
 相変わらず冷静に観ると、そこここに理解不可能なものがいっぱいなのですが、それにはもう慣れました。(笑)
 『CITY HUNTER』(監督:こだま 兼嗣)宜しく、ギャグとシリアスの綯い交ぜどんと来い!です。

 さて、何からタイプすればいいのやら。
 ストーリーのコアは、しがない大学生がいかにして探偵になるのか?といったところでしょう。
 だけどここには、幾つもの意味が重なります。
 白鐘姉妹を受け容れること。
 ニコタマ商店街のみんなの期待に応えること。
 そして父・愛之助の後を継ぎ、二代目になることを受け容れること。
 これまで語られなかった恋太郎(CV:関 智一)のバックボーンが一気に語られ、ますます魅力が上がりました。
 しかし、『探偵物語』の工藤俊作(役:松田 優作)あっての愛之助を下敷きにして、こんなにもカッコイイ恋太郎を描けるものなのかと。
 こんなにも立ったキャラクタに、恋太郎を仕立て上げられるのかと。

 これでお膳立て(?)は総て揃った。
 次回は白鐘姉妹のどちらかが、いなくなる予感。
 『フタコイ オルタナティブ』(総監督:逢瀬 祭)の『フタコイ』パートは、今回で終了。
 次回からはいよいよ、『オルタナティブ』パート始動か?


 それでは、よしなに。(敬称略)

| | コメント (3) | トラックバック (10)

2005/05/12

【感想】『フタコイ オルタナティブ』第6話「どうして好きなのに別れちゃったの?」

 さて、思い知れ、関東地方!(笑)の第六弾。
 ようやく伏線を回収しに来た『フタコイ オルタナティブ』(総監督:逢瀬 祭)は、たいへん面白かったです。
 これでもう、「第1話の方がブラフだ」といい切っていいかな?ダメかな?…

 それにしても、やりすぎたギャグだと思っていたあのホットケーキまでをも、3人でいたことの想い出にしてくる。
 自分はこのことに、かなり驚いています。
 "荒唐無稽"という言葉では収まりきらないぐらい無茶苦茶をやっているのに、それがこんなにもいい雰囲気の作品内に、きちんと収まっている。
 何だろう、この懐の深さは。
 作品の幹や根がしっかりしていれば、多少おかしな枝葉や実が付いても大丈夫なことを証明している。
 それでも今回でいえば、温泉猿(?)とか河童(?)とか座敷童(?)とか、とにかくおかしな枝葉末節がいっぱいです。(笑)

 それとあのカレンダには、参りました。
 これまでにも"二子魂川"や"JYOGIA"など、徹底的にフィクションを描いているのですから、当然"11月31日"もありなのですが・・・
 前回のラストシーンを観て、これを予想していたブロガは、自分が巡回している中では見当たらなかったです。
 ここまで徹底的にフィクションであることを描いていれば、双子が六組いても、別段おかしくない・・・のかな?(苦笑)
 今回初登場の一条姉妹は、恋太郎と3人で挙式を行うことが、当然と思っていました。
 そういった心情もあってか一条姉妹は、恋太郎が白鐘姉妹と3人でいることが当然と受け止めていました。
 ですが自分は、この感覚を割り切ることが出来ませんでした。
 やはり頭ではフィクションだと分かっていても、前述のカレンダ宜しく、どこかでリアルに作品を理解しようとしているようです。

 『フタコイ オルタナティブ』は、親父が探偵キック!でイカファイヤーと戦い(笑)、白熊がヤクザの子分を務めている(笑)ようなフィクションです。
 いい加減、この作品の世界観に慣れないといけませんね。(^^)


 それでは、よしなに。(敬称略)

| | コメント (2) | トラックバック (13)

2005/05/05

【感想】『フタコイ オルタナティブ』第5話「7DAYZ(...and Happy Dayz)」

 さて、思い知れ、関東地方!(笑)の第五弾。
 前回とは打って変わって、今回はとても良かったです。
 こういった雰囲気で押してくる作品って、凄くいいですね。
 今回初登場となる千草姉妹は、残念ながら、千草姉妹でなくとも務まる役回りでした。
 ですがその分、『フタコイ オルタナティブ』(総監督:逢瀬 祭)のテーマとなっている「3人でいたい」が前面に押し出されていて、自分はとても満足でした。

 恋太郎(CV:関 智一)、沙羅(CV:水橋 かおり)、双樹(CV:門脇 舞)の3人の絶妙に微妙な関係が、とても爽やかに描かれている・・・観ていて幸せになる映像と表現すればいいかな?
 とにかく、そういった映像でした。

 恋太郎のタルトフレーズを白鐘姉妹が揃って素手でパク付いていたり、滞空時間がやたらと長いマグカップを恋太郎が雑伎団してたり、沙羅が街中をポラロイドカメラに収めていたり、双樹がデイジー・フィッツジェラルドの曲をギターで奏でていたり、そんな3人の日常。
 いや、既にこの時点でもう、かなりおかしいのですが、このおかしさが作品からは浮くことはありません。
 むしろ浮いているのは、「次回もお楽しみに」画面の方です。
 BGMとの乖離が、非常に気になります。
 じゃぁ今回の『フタコイ オルタナティブ』は、おかしな話だったのかというとそうでなくて、しんみりとした凄くいい話でした。
 おかしいのにしんみり。
 千草姉妹のペットショップ内には、リアルな猿が飛び交い、妖怪紛いのオコジョがいて、不細工な犬が恋太郎の足に噛み付いていて、捜索を依頼した迷い犬は白(シロッケンハイム)で・・・
 こうしてテキストに起こしてみると、やっぱりしんみりなんて微塵もしていない。
 いや、むしろ絶対におかしい。(笑)
 だけどこの第5話は、抜群の雰囲気を持って観る者を魅了します。
 それこそ、『英國戀物語エマ』(監督:小林 常夫)にだって負けないと思います。
 いったい何だろう?この作品は…とても不思議な作品です。

 ただ、空を写しただけのポラロイド写真を、記念写真だという沙羅。
 これが本当に記念写真だと思えてくるから、不思議です。

 さて、「3人でいたい」というテーマの裏にはもちろん「3人でいられない」というのがあります。
 そして今回、9日間のプチ失踪を経て白鐘姉妹は、「ただいま」も「おかえり」もなく、恋太郎の許に帰ってきました。
 だけど・・・
 この次の家出ではもう戻ってこないような、そんな一抹の不安を覚えるこの雰囲気。
 これは何も今回だけではなく、第1話から根底に流れていたような、そんな雰囲気。
 白鐘姉妹の自宅の場所と電話番号が書かれたメモが、こんなにも大写しになっているのに、どうしても拭い切れないこの不安感はいったい何なのでしょうか?
 ちなみに、メモに書かれていた電話番号(03-5318-1539)は、ユーフォーテーブル有限会社の電話番号ですね。
 とするとあのメモに描かれていた"ふたごづか"駅は、JR高円寺駅のことなのでしょうか?
 でも高円寺に海なんてないから、多分違うのでしょう。

 さて、ラストカットのカレンダは、31日まである月の23日(金曜日)に赤ペンで大きく丸をして、「忘れるナ!!」の文字が書かれていました。
 前日の22日(木曜日)まで×がしてあったから、これは今日が23日だという意味なんだろうけど、まぁどうでもいいや。(^^)
 伏線がどうとか、そんなことがどうでも良くなるこの第5話。
 凄く良かったです。
 この良かったというのは、決して理屈じゃないんですよね。

 これこそが"商品"ではなく、"作品"の証なんだと思います。


 それでは、よしなに。(敬称略)

| | コメント (2) | トラックバック (17)

2005/04/28

【感想】『フタコイ オルタナティブ』第4話「ニコパク ラプソディ」

 さて、思い知れ、関東地方!(笑)の第四弾なのですが、正直にいうと、観るところはそれほどなかったです。

 今回のゲストキャラである桜月姉妹は、ウリであるはずの双子という設定が、殆ど活かされていませんでした。
 例えば、例えばですよ、桜月姉妹を桜月ユキ(希望CV:松岡 由貴)という一人っ子のキャラクタに入れ替えても、「ニコパク ラプソディ」というストーリーは成り立ったように思います。
 または『ミラクル☆ガールズ』(監督:安濃 高志)宜しく、キラ(CV:伊月 ゆい)とユラ(CV:綱掛 裕美)を入れ替えたとしても、別段問題はないように感じました。
 何しろ「ニコパク ラプソディ」というストーリーの肝は、真っ当なヤクザの親分になって欲しいと願う、娘の気持ちなのですから。
 アレ?
 "3人でいたい"や"リリカルアクション巨編感動ラブストーリー"は何処へ?

 振り返ってみると、白鐘姉妹や桃衣姉妹は、一人一人の役割分担がきちんと出来ていたと思います。
 ところが桜月姉妹はそれが出来ていないし、またそれが非常に気になります。
 同じように雛菊姉妹もそれが出来てはいないのですが、それは余り気になりませんでした。
 この違いはやはり、あのハイクォリティアニメーションによるガンアクションシーンがあったからだと思います。
 そういえば、伏線だと思っていた雛菊姉妹の出番が、今回はなかったな…

 ですが今回の第4話では、第1話に観られたような勢いに欠けている・・・もっというと、テンポが非常に悪いように感じました。
 これまでにもザリガニとか第3話に於ける雛菊姉妹等、一見するとカットしても構わないようなカットが、多数ありました。
 ですがそれらは、繰り返しの印象付けや映像の緩急付けに一役も二役も買っていたので、映像のテンポが非常に良く、決してナンセンスな物という印象はありませんでした。
 ところが今回の第4話では、地上げ屋三人衆が人類外だったり…というか一匹はオコジョのような白熊だし、電柱には何故かコアラがいたりと、とにかくナンセンスに感じる物が多かったです。
 まぁイカファイヤーがいるような世界観なので、それはそれでありかも知れませんが、残念ながらそれが作品に対してプラスに働いているようには見えませんでした。

 ドラマでもいいしアクションでもいいから、とにかく何かを魅せて欲しい。

 これは我が儘かも知れませんが、自分が望むことは、ただそれだけです。
 今回はちょっとどころではなく、非常に残念な内容でした。
 第5話では、この印象を払拭するような内容を期待します。


 それでは、よしなに。(敬称略)

| | コメント (4) | トラックバック (18)

2005/04/21

【感想】『フタコイ オルタナティブ』第3話「エメラルドマウンテン ハイ」

 さて、思い知れ、関東地方!(笑)の第三弾。
 今回は、ただでさえも遅いTVO(テレビ大阪)での放送時間が、いつもより30分遅くなって、3:40~の放送。
 ですがそのお陰で、ABC(朝日放送)の『JINKI:EXTEND』(監督:むらた 雅彦)(2:55~3:23)と、時間帯が重ならずに済みました。
 しかしながら、スターチャイルドやフィールの関係者は、この重なっている状況をどう捉えているのでしょうか?
 ちなみに余談ですが、今月からJOQR(文化放送)とTBS(東京放送)で重なってしまった『鋼の錬金術師』(原作:荒川 弘)は、半ば強引にJOQR側が折れました。
 来月から、放送時間帯が移動します。


 『フタコイ オルタナティブ』(総監督:逢瀬 祭)の本質は、今回の路線なのでしょうか?
 自分はこの路線で行って欲しいと思います。
 ですが今回も、ストーリーには全く関係のない雛菊姉妹を、1シーンだけ登場させています。
 ここを鑑みると、第1話が単なるツカミだとは思えません。
 雛菊姉妹が、ドタバタアクションへの伏線だと思います。

 さて、本編。
 恋太郎(CV:関 智一)と桃衣愛(CV:たかはし 智秋)舞(CV:三五 美奈子)姉妹は三年前、三人一緒にエメラルドマウンテンを目指した。
 だけど、それは叶わなかった。
 結局、三人一緒にはいられなかった。
 そして今、恋太郎は、白鐘沙羅(CV:水橋 かおり)双樹(CV:門脇 舞)姉妹と三人で暮らしている。
 そこに桃衣姉妹が、別に別に仕事を依頼しに来るのだけど、あれは舞が恋太郎を愛に合わせるために。
 そして愛は恋太郎に、「 サ ヨ ナ ラ 」を言いに来たんですね。
 ケータイを自分のアパートの水槽に沈めて、そのケータイを捜しにニコタマ聖地を恋太郎と一緒に練り歩く。
 その数なんと、150箇所!
 愛は恋太郎と、ニコタマの想い出が欲しかったのかな?

 そして舞は白鐘姉妹に、「私達は一度手に入れた物を手放してしまったのよ」「あなた達は私達みたいになっちゃダメ、絶対に手を離しちゃダメなんだから」と告白する。
 するとあのイメージ映像は、舞が三人一緒にいることを止めた瞬間なのかな?

 泣いている双子を抱き締めたのも、仕事を依頼しに来たのも、桃衣姉妹と白鐘姉妹は同じ。
 桃衣姉妹とはもう終わってしまったけど、白鐘姉妹とはまだ続いている。
 夜が来て、朝が来て、そしてまた夕方が来る。
 いつも三人一緒が当たり前。
 だけどそんな日常が永遠でないことは、桃衣姉妹との一件でよく解っている。
 だからこそ最後の台詞が、運良く今日も、俺達は三人だ」なのでしょう。

 文字でタイプしたら、「三年前の桃衣姉妹とは失敗したけど、似たようなシチュエーションの白鐘姉妹とは果たして?…」と、たったの43文字で済んでしまう。
 だけどそれを、観応えのある映像で魅せてくれる。
 特に『serial experiments lain』(監督:中村 隆太郎)の洗礼を受けている自分には、ブラックバックに赤にもやもやの影は嬉しかったです。


 余談ですが、『カウボーイビバップ』(監督:渡辺 信一郎)のビバップ号宜しく、事務所の扉が内開きになったり、外開きになったりしていますね。(苦笑)
 3DCGIによる内開きシーンの方が回数が多いので、あれは内開きに統一すれば良かったですね。
 それと、自動販売機のJYOGIAエメラルドマウンテンの缶が、まるで描けていません。
 デッサンやパースは狂っていますし、いくら何でもあれではプルタブが大きすぎます。
 エメラルドマウンテンはサブタイトルにもなっているのですから、あそこはきちんと描いて欲しかったです。
 あれだと少しだけですが、草薙(KUSANAGI)の名折れだと思います。


 それでは、よしなに。(敬称略)

| | コメント (8) | トラックバック (17)

2005/04/14

【感想】『フタコイ オルタナティブ』第2話「ノーネームデイ」

 さて、思い知れ、関東地方!(笑)の第二弾。
 いや、ただ単に放送が、関東地方よりも先行しているだけの話なのですが。(苦笑)
 それに、TVO(テレビ大阪)よりもTVA(テレビ愛知)の方が、放送開始時間が42分ほど先行していますし。
 何より、KIDS STATION でも放送していますから、観ようと思えば全国どこでも観られます。
 その辺りについては、キー局オンリーの番組にも、大いに見倣って欲しいところです。


 さて前回の感想で自分は、「すたちゃまにあ」のPVは、出来のいいブラフ」だとタイプしたのですが、どうやらブラフは第1話の方だったようです。
 といいますのも、第2話の内容がPVに即していたからです。
 さぁ段々と、『フタコイ オルタナティブ』(総監督:逢瀬 祭)が解らなくなってきました。
 第1話と第2話では、まるで雰囲気が違います。
 しかしながら、その根底に流れる作り手の意気込みといいましょうか、「やってやるぞ!」という気概のようなものに、変わりはありません。
 それに、第1話ではツカミだけかと思われていた雛菊姉妹でしたが、第2話を観ると、どうやらこの先の展開にも絡んでくるような感じです。
 どうやら自分が思っていた以上に、シリーズ構成はしっかりしているような感じです。
 語尾はあくまでも、「~ような感じ」です。(笑)
 ですので自分は、安心して観ています。観ていますが・・・この先の展開がまるで読めません。
 ただ確実にいえること、それは、第1話のようなドタバタアクションも出来れば、第2話のようにドライな絵作りも出来るということです。
 この懐の深さを活かしたディテクティヴライフ!
 それこそが、『フタコイ オルタナティブ』の真骨頂だと思います。

 第2話からは、スタッフロールが全部入って良かった。


 それでは、よしなに。(敬称略)

 P.S. 「すたちゃまにあ」のスペシャルページ、第2話のサブタイトルが間違っています。

| | コメント (5) | トラックバック (14)

2005/04/07

【感想】『フタコイ オルタナティブ』第1話「コロッケとヘリと地下ボクシングと私」

 日頃から、何かと関東地方に後れを取っている関西地方。
 特に『舞-HiME』(監督:小原正和)に至っては、TX(テレビ東京)で木曜深夜に放送したものを、TVO(テレビ大阪)では翌週の火曜深夜に放送していたという有様。
 こちらはただ『AIR』(監督:石原立也)の感想を読みたいだけなのに、読むブログ読むブログまるで仲の良い双子のように、『AIR』と『舞-HiME』の感想が寄り添っていました。
 お陰で『舞-HiME』の感想を避け、『AIR』の感想だけを読むのに苦労する毎日。

 さて、そんなところにやってきたこの、『フタコイ オルタナティブ』(総監督:逢瀬 祭)。
 オフィシャルウェブサイトによりますと、どうやらTVA(テレビ愛知)とTVOでの放送が、関東地方の放送局よりも一日先行しているようです。
 ということでここは、日頃の恨み(笑)も込めまして、とっとと『フタコイ オルタナティブ』の感想をアップしようと思います。
 思い知れ、関東地方!(笑)
 『デビルマンレディー』(監督:平野俊貴)とか『マイアミ☆ガンズ』(監督:湖山禎崇)とか、地方だってたまにはいいことあるんだぞ!(笑)


オープニングアニメーション
     『双子の天使達が舞い降りてきて
                世の悪事をぶっ倒しちゃうぞ!』編

 オープニングアニメーションにサブタイトルが付いているところから、これは定期的に入れ替えていくのでしょうか?
 それにしてもオープニングから、ユーフォーテーブルらしさが滲み出ています。
 キャッチコピーの"リリカルアクション巨編感動ラブストーリー"は伊達じゃないです。
 オープニングから気持ち悪かった『双恋』(監督:富沢信雄)とは、同じ俎上に載っていません。
 同じ題材を用いていながらも、こんなにも違う物が作れるのかと感心しています。
 とにかくキャラクタが、画面の中を所狭しと動く動く。
 アニメーションがアニメーションである。
 そんな当たり前のことが、こんなにも気持ちいいなんて。
 この映像の魅力は、テキストでは絶対に伝わりません。
 これは、観られる環境にある方には、是非とも観て欲しい映像です。
 そしてこのオープニングの気持ち良さが、そのまま本編にも反映されています。
 梅津泰臣監督作品とタメをはれるほどのガンアクションや、良い意味でクロストークしまくりの小気味好い台詞の応酬。
 何度観ても観飽きない面白さが、この映像には詰まっています。
 この片鱗は、「すたちゃまにあ」の『フタコイ オルタナティブ』ページにあるPV(Promotion Video)で、味わって頂けると思います。

 しかし、この状況を誰が予想したでしょうか?
 六組の双子から「二人一緒じゃダメですか?」と迫られる馬鹿馬鹿しいメディアワークスの萌え企画から、こんなにも愉しい、"リリカルアクション巨編感動ラブストーリー"が生み出されるとは…
 ユーフォーテーブルには、『住めば都のコスモス荘 すっとこ大戦ドッコイダー』(監督:まつい ひとゆき)や『ニニンがシノブ伝』(監督:まつい ひとゆき)という実績があるとはいえ、こんなにも荒唐無稽な作品企画に、よもやGOサインが出るとは思いませんでした。
 荒唐無稽?(^^;…

 さて、皆さんを煽るのはもういいかな?(笑)
 "リリカルアクション巨編感動ラブストーリー"なんていうキャッチコピーが付いていますが、これは立派なスラップスティックギャグアニメです。(笑)
 前述のPVは、出来のいいブラフです。
 ですが『フタコイ オルタナティブ』は、そんじょそこらのスラップスティックギャグアニメとは違います。
 『フタコイ オルタナティブ』は、最高のエンタテインメントスラップスティックギャグアニメです。
 『AIR』とは違うベクトルをもった、ハイテンション&ハイクォリティアニメーションです。
 『AIR』に対しては、「2005年1月放送のアニメーションにして、2005年の最高傑作」という呼び声が多数、寄せられていました。
 ですがこの『フタコイ オルタナティブ』は間違いなく、その呼び声に対して「待った!」を掛ける作品の一つです。

 昨年がハイクォリティ劇場アニメーションの年だとするなら、今年はハイクォリティTVアニメーションの年なのかも知れません。


 それでは、よしなに。(敬称略)

 P.S. TBポリシーについては、こちらを参照して下さい。

| | コメント (10) | トラックバック (18)