【感想】『牧野由依 Premium Concert 2008』
さて、全体を通しては、途中何度も感動に打ち震えるほど、たいへん素晴らしいコンサートでした。
ですが細かい点では、いくつか不満なところがありました。
ですので先に、改善して欲しかったところをタイプします。
・開場時間
招待状を受け取ったときから、10分間で500人を整列させるのは厳しいと思っていました。
そして案の定、整列に手間取っていました。
整列を開始してから、会場内にいたお客さんを全員会場の外へ出させたということは、主催者サイドがこの会場のことを熟知していなかったということになります。
これは他山の石とさせて頂きます。
・招待状
これは多くの賛同意見を頂けるものと思うのですが、あの招待状は「手許に残しておきたい!」と思える素晴らしい出来映えのものでした。
ですので何らかの形で、招待状が手許に残るようにして欲しかったです。
ちなみに『青春ラジメニア』の公開録音では、回収後に宛名シールの貼っていない招待状を渡してくれました。
こうしたちょっとの気遣いが、たいへん大きな嬉しさに繋がるのです。
・SR(Sound Reinforcement)
折角の素晴らしい会場なのですから、それをもっと活かす調整をして欲しかったです。
そしてRoland V-Mixer M-400は、それが出来るSRだと思います。
あのバランスの悪い耳障りな低音は、止めるべきだと思いました。
また、スタインウェイ(Steinway & Sons)本体からもスピーカからも同じ音が出ているため、直接音はともかく反響音が気持ち悪く混じり合って、たいへん不愉快でした。
ミキサー卓前では心地良い反響音だったかも知れませんが、自分の席では非常に辛かったです。
1曲1曲にたくさんの想い出が詰まっています。
ですので、とてもこんな数行のコメントでは表現しきれないのですが、そこは想いをぎゅっ!と凝縮してタイプしていきます。
M0.「雨の日の噴水」
開場から開演までの間ずっと、BGMとしてリピート再生されていました。
小さな音でスピーカから鳴っているのにも関わらず、それが非常に良い音を奏でていました。
こういったところからも、このウィーンホールの音響の良さを体感できていました。
ふと眼を上にやると、白い天井から伸びる計432本の吸音体がある種の異彩を放っており、自分はそんなところからも、このウィーンホールに期待を寄せていました。
M1.「スピラーレ」
やはり、4ヶ月連続リリースの締め括りということもあり、「スピラーレ」が1曲目でした。
自分は牧野さんの情感溢れる唄い方に惚れているので、唄い出しからもう鳥肌が立ちっぱなしでした。(←もちろん本来の意味ではなく、実際に感動で鳥肌が立っていたという意味です)
前述のように、折角の反響音が台無しでガッカリだったのですが、そんなことがどうでも良くなるぐらい、素晴らしい演奏でした。
M2.「シンフォニー」
さて、この「シンフォニー」には特別な思い入れがありまして、自分はこれでもかというぐらいに期待していました。
ところが実際には、反響音は濁っているし、低音が舞台に響いて耳障りだしで、何も良いところがありませんでした。
例えバックにカラオケを流しても、牧野さんの唄声とピアノ演奏が主役であって欲しかったです。
M3.「幸せのため息」
こちらも M2 と同じくカラオケが流れたのですが、カラオケが息を潜めたピアノ間奏部分が抜群に良かったです。
たくさんの検討を経て、今回のコンサートではカラオケを流すことにしたのだと思います。
ですが自分はこのピアノ間奏部分をもって、牧野さんとスタインウェイを信用しても良かったのでは?と思います。
全編ピアノの弾き語りでも、充分にコンサートは成立したと思います。
M4.「アムリタ」
同級生のタキガワくんアレンジとのこと。
こうしてピアノの弾き語りを聴くと、本当に心地良くなれる。
特に、どこまでも伸びる牧野さんの唄声がとても良かったです。
最後の歌詞には、ありったけの情感が込められていて、牧野さんの真骨頂を体感できたと思っています。
M5.「DESTINY」
これもカラオケがなく、ピアノの弾き語りだけだったので、どこまでも伸びる牧野さんの唄声を心ゆくまで堪能できました。
この頃から、前述の反響音とかが、全く気にならなくなっていました。
もうすっかり自分は、牧野さんの唄声に心を奪われていました。
M6.「スケッチブックを持ったまま」
これもカラオケがなく、ピアノの弾き語りだけだったので、どこまでも伸びる牧野さんの唄声を心ゆくまで堪能できました。
前述の反響音とかはもう、全く気にしていません。
もうすっかり自分は、牧野さんの唄声に心を奪われて・・・って、M5 の感想と殆ど同じことをタイプしているじゃないか。(苦笑)
でも本当にそのぐらい、素晴らしい唄声とピアノ演奏でした。
M7.「横顔」
この曲からはまたカラオケが掛かってきたのですが、M2 などとは違い、それほど不快に感じませんでした。
いや、むしろ、この演奏が大好きなぐらい気に入りました。
それは恐らく演奏されたのが、普段から聴いている『スピラーレ』収録の「横顔-acoustic version-」ではなく、2ndアルバム『マキノユイ。』収録の新バージョンだったからでしょう。
ですが気のせいか、牧野さんの唄声の伸びが、「どこまでも伸びる」から「高く伸びる」に格下げされたような、そんな印象を受けました。
M8.「もどかしい世界の上で」
この曲に入る前のMC(Master of Ceremony)で、牧野さん自身から「手拍子OKです」とのお言葉がありましたが、自分は今でも「手拍子なし」が良かったと思っています。
それにしても全編を通して、MCにかかる残響音が絶品でした。
これは自分の席には、牧野さんの肉声が届かなかったからだと思っています。
つまり、スピーカからの直接音と反響音だけがホール内で綺麗に響き合い、この耳心地を届けてくれたのだと思います。
それでこの「もどかしい世界の上で」も絶品でした。
元々この曲が大好きということもあり、ずーっと最後まで、鳥肌が治まりませんでした。
ラストソングに相応しい選曲だったと思います。
しかしながら、牧野さんの唄声の伸びに対して、ここまで続かなかった感が否めませんでした。
もちろん、ここまで8曲も唄い続けてきたのですから、これは当然のことと思っています。
Encore「オムナ マグニ」
いや、1stアルバム「天球の音楽」の頃から、一度はライヴで聴いてみたいと思っていたのですが・・・
それをアカペラで演じた心憎い演出に、自分はすっかりやられてしまいました。
これだけの声量があればマイクは不要では?と思わせるほど、しっかりと自分の耳に届きました。
牧野さんの唄声の伸びも全く気にならず、すんなりと自分の心に届いてきました。
この1曲のためだけでも自分は、遙々大阪から足を伸ばしたことでしょう。
しかしながら、残念なところが2点ありました。
1つ目はアカペラの途中で、クシャミを堪えたお客さんがいたこと。
生理現象ですから仕方がないとはいえ、あの静寂の中ではまずかったと思います。
そしてもう1つは、同じくアカペラの途中で、撮影スタッフがカメラのシャッターを切ったことです。
もちろん、牧野さんの姿を写真に納めることが、彼の仕事だったということは理解しています。
ですがシャッターを切る前に、そのカメラの動作音が、この「オムナ マグニ」に与える影響を少しは想像して欲しかったです。
これは前述のクシャミと違って、防ぐことが出来たのですから。
以上、色々と苦言を呈してきましたが、トータルではたいへん満足しています。
次の機会がありましたら、また参加させて頂こうと思います。
牧野由依さんをはじめとする、全コンサートスタッフの皆さん。
たいへん有意義な日曜日のひとときを、ありがとうございました!
それでは。(敬称略)
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コメント
トラックバックありがとうございました。
個人的には、全編弾き語りでカラオケは無しで良かったんじゃないかなぁ…なんて思ってます。
整列に関しては、もっとひどい状況を味わったことがあるので、あれくらいはもう全く苦になりませんね…。
招待状に関しては同意見で、回収はしないで欲しかったですね。力が入ってたので、チェックだけで回収はしないものと思っていたら、回収されてしまって…。
シャッター音は、ほぼ全編通じて気になってました。一眼レフは構造上、シャッター音が消せないので仕方ないといえば仕方ないのかもしれませんが…。最近出始めたライヴビュー機能付きの一眼レフだと、ライヴビュー時はミラーアップ撮影なのでシャッター音消せると思うんですけどね。今後はそういう配慮もして欲しいとは思います。
投稿: 鷲 | 2008/03/27 01:49
鷲さん、こんばんは。 コメントありがとうございます。
同意見がコメントとして寄せられて嬉しいです。
こういった意見が寄せられるのは、コンサートの内容が凄く良かったからですね。
L10って、そういったところにも威力を発揮するカメラなのですか。
牧野由依さんの良さと対照的なスタッフだったと思います。
それでは。(「マキノユイ。」ヘビロテ中)
投稿: Akihiro Inda. | 2008/03/30 00:02