画質や音質が作品内容に与える影響について…
『雲のむこう、約束の場所 -The place promised in our early days-』
(原作・監督:新海 誠)
たまにはエントリをアップして、生きていることをアピールしないとね。
さて今回のお題は、画質や音質の良し悪しが、作品内容に与える影響についてです。
2007年12月 1日(土曜日)に開局にしたBS11デジタルは、そのラインアップの豊富さから、自分が今、注目している放送局です。
既にたくさんの作品が放送されていますが、今回はその中から、昨年末に放送された『雲のむこう、約束の場所』と、今年から放送が開始された『GUNSLINGER GIRL』を取り上げます。
自分は普段から、画質や音質の良し悪しが、その作品の外見だけでなく内容にも、多大な影響を与えると思っています。
ですので、「低画質、低音質でも構わない」という意見を耳にする度に、悲しい気持ちに打ち拉がれています。
そしてBS11デジタルで放送された『雲のむこう、約束の場所』は、自分のこの思いを裏付けるものでした。
この作品はその昔、ANIMAX だったか、NHK BS2 だったかのSD映像で観たことがあります。
ですがそのときの感想は、「『ほしのこえ -The voices of a distant star-』ほどではないなぁ」でした。
いや、正直にいうと、自分の頭が作品についていかなったのです。
ところが・・・
正月休みに観直した『雲のむこう、約束の場所』は、実に良かったです。
新海作品の真骨頂ともいうべき、観る者の心を奪う背景美術は、HD映像によって活きてくる。
まるで生き物が呼吸しているかのような、電車内のパーティションラインにそって反復運動する反射光は、新海作品の一つの到達点といっても過言ではないでしょう。
このあたりから自分は、作品世界に没頭していました。
だからこそ観終えた後には、「ユニオンの塔の破壊によってなくした沢渡 佐由理(CV:南里 侑香)の想いを、これからゆっくりと取り戻していくのだろう」と、清々しい気持ちになれました。
SD映像で観たときには得られなかった気持ちが、HD映像では自分の中に芽生えた。
自分はこの体験をもって、画質や音質の良し悪しが、その作品の外見だけでなく内容にも、多大な影響を与えると言い切れます。
『GUNSLINGER GIRL』
(監督:浅香 守生)
随分前に ANIMAX で鑑賞した作品ですが、これは観直す価値が充分にあります。
空薬莢が地面に落ちるときの乾いた音がとても耳に心地良くて、もっとボリュームを上げたくなります。
「少年 - ragazzo -」(脚本:武上 純希・植野 慶子)に於ける、リコ(CV:三橋 加奈子)とエミリオ(CV:サエキ トモ)の悲しい邂逅が、心にグッ!ときました。
『GUNSLINGER GIRL -IL TEATRINO-』(総監督:石踊 宏)にも、それ相応の画質や音質が必要なのだと思います。
それでは、よしなに。(敬称略)
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