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2007/04/11

【感想】『らき☆すた』第01話「つっぱしる女」"無"→"有"

『らき☆すた』おきらくBOX 泉こなた編 フィギュア付き限定版『らき☆すた』
  (監督:山本 寛)

 相変わらず、話題作りには事欠かない、京都アニメーション作品。

 今回はその最新作『らき☆すた』第01話「つっぱしる女」(脚本:待田 堂子)の感想にかこつけて、ちょっとだけ自分の思っていることをタイプしてみます。

『もってけ!セーラーふく』

 まずは何といっても、オープニング曲の物凄さでしょう。

 それこそこの「もってけ!セーラーふく」(LACM-4362)に、何もかもをもってかれたような印象です。


 自分の知る限りこのノリノリの曲(死語?)は、番組開始までは伏せられていたように思います。
 思い起こせば『涼宮ハルヒの憂鬱』(監督:石原 立也)のときも、観る者の度肝を抜いた「恋のミクル伝説」(唄:朝比奈 みくる(CV:後藤 邑子))は、番組開始までは伏せられていたんじゃないかな?
 そしてこういった話題作りをするためには、何といっても、楽曲自体が巷間に埋もれていてはいけません。
 その点「もってけ!セーラーふく」も「恋のミクル伝説」も、他の曲の頭二つ上を行っています。
 ジンの『解読不能』(QQCL-19)と同じく、自分の耳には歌詞が全く聴き取れず、いったい何を唄っているのかがさっぱり解りませんが、あの中毒性の高い映像と相俟って、とにかく話題性は充分です。



『らき☆すた』おきらくBOX 柊かがみ編 フィギュア付き限定版 さて次は本編です。

 先程、感想ブログを一通り巡回しまして、「本編がイマイチ」「オープニングだけが良かった」という意見の多さに、自分は驚きを隠せません。

 この作品はオープニングやエンディングだけが凄いんじゃなくて、本編が一番凄いのです。


 あの、チョココルネの食べ方やネギタン塩の焼き方といった、本当にど~~でもいいランチトークだけで、あれだけのエンタテインメントを生み出している。
 泉 こなた(CV:平野 綾)、
 柊 つかさ(CV:福原 香織)、
 柊 かがみ(CV:加藤 英美里)、
 高良 みゆき(CV:遠藤 綾)
の4人の会話だけで、きちんと1本の作品になっているのです。
 これは確かなテクニックに裏打ちされた、ハイクォリティなエンタテインメント作品なのです。
 でもこれがどうして、なかなか多くの人には伝わっていないご様子。 うーーん。

 オープニングショックが忘れられないという意見はよく分かるのですが、それに心を奪われて本編を愉しめないというのは、たいへん勿体ないと思うのです。
 『らき☆すた』は、"ど~~でもいいこと"から"ど~~でもよくないこと"を生み出した。
 つまりこれは、"無"から"有"を生み出したということなのです。

 バンバン人を殺しまくる作品が多い中、こういった何かを生み出す作品は貴重だと思います。



 さて今回、この感想をタイプしたのは、これ以下のテキストをタイプしたかったからです。
 まずはこちらのエントリをお読み下さい。

『らき☆すた』(1)第01話「つっぱしる女」の冒頭シーン。

 躍動感溢れる滑らかな動きのクラウチングスタートから、3DCGIのグラウンドやアニメ的マンガ的効果線イフェクトを経て、『らき☆すた』標準の絵柄になってゴールインした主人公の泉 こなた。

 これはまさに・・・

 今回は「"映像言語"ではなく"漫画言語"で行きます!」という、『らき☆すた』からの宣誓なのでしょう。
 ライトノベル、アドヴェンチャゲームを経て、次に京都アニメーションが挑む「理解・分解・再構築」は、4コママンガなのですね。
 4コママンガからのアニメ化には、『あずまんが大王 THE ANIMATION』(監督:錦織 博)や『ひだまりスケッチ Hidamari Sketch』(総監督:新房 昭之)といった偉大な作品が数多くあります。
 『AIR』に於いては当初、"老舗の東映アニメーションと巨匠監督"を追う、"新星京都アニメーションと新人監督"との認識でしたが、それが今ではすっかりトップランナーです。
 なのでここ数年のフィーバーに煽られて、京都アニメーションはいつも追われる立場との認識でした。

 ですが京都アニメーションは今でも、新しいことに果敢に挑むチャレンジャなのですね。

 それでは、よしなに。(敬称略)

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コメント

こんばんは、だんちです^^
記事の紹介とTBをありがとうございました!「触発された」とのこと、大変嬉しいです^^

冒頭の徒競走シーンは仰るように、「映像言語的」シーンから「スタート」して、「漫画言語的」に「ゴール」するという構図に見えますよね。それにより、「こういう作品ですよ」ということを語りかけてくるという見方は、本当にその通りだと僕も思います。
その上での本編突入で、"ど~~でもいいこと"から"ど~~でもよくないこと"を生み出す、という手順がちゃんと踏まれていて、見る側に対しての語りかけがちゃんとなされていることを感じます。

語りかけてくることを感じ取って、より多くの人が作品を楽しんでいって欲しいですよね。

ところで、相変わらずのココログ様。TBが受け付けてもらえません…。
そちらからのTBが届いたのは、あるいは奇跡なのか…^^;
僕も奇跡を信じてTBを送り続けてみますね。

それでは、今後ともよろしくお願いいたします。
失礼いたします^^

投稿: だんち | 2007/04/16 01:42

奇跡が起こった!!
TB、無事通りました^^
お騒がせいたしました。
ではでは、またです!

投稿: だんち | 2007/04/16 01:45

 だんちさん、こんばんは。

 返信がホントに遅くなってすいません。
 平日は残業続き、昨日の土曜日は奈良公園で鹿と戯れていました。
 さぁこの日曜日は、溜まっている新番組を片付けるぞ!

 さてさて、TBが通って良かったです。
 ちょっと2話以降の感想をタイプできそうにないですが、これからも宜しくお願いします。

 あっ、今さっき『青春ラジメニア』で、ささきいさおさんの「宇宙鉄人 キョーダイン」が流れていました。(^^)


 それでは、よしなに。

投稿: Akihiro Inda. | 2007/04/22 01:47

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