【感想】BSこだわり館『BSアニメ夜話』第7弾
さて、久々のエントリは毎度お馴染みになりました、BSこだわり館『BSアニメ夜話』第7弾の感想です。
今回のラインアップは以下の3作品になります。
第1夜『千年女優』
第2夜『勇者ライディーン』
第3夜『鋼の錬金術師』
前作の『PERFECT BLUE』(原作:竹内 義和)に引き続き、「たいへん今 敏監督らしい作品だなぁ」という印象があります。
そしてとにかく驚いたのは、「カットの繋ぎがいいなぁ」と思っていたTVCFが、実はTVCF用にカットを繋いだのではなく、本編そのままを流していたということ。
つまり『千年女優』は、劇中劇であることを最大限に活かして、次から次へと矢継ぎ早に変わるカットを見事に繋いでいました。
尺の短いTVCFでしかあり得ないような細かいカット割りでも、尺の長い劇場用作品に持ち込めるというのは、自分にとっては驚きでした。
あと、ミーハーなことをいうと、動く村井さだゆきさんを初めて拝見しました。(^^)
この人が『キノの旅 -the Beautiful World-』(監督:中村 隆太郎)を始め、『スチームボーイ』(監督:大友 克洋)などの脚本を"見事に纏めた"方なんだと。
・第2夜 『勇者ライディーン』
(監督:富野 喜幸(現:富野 由悠季)・長浜 忠夫)
「スーパーロボットとリアルロボット」と「原作付きとオリジナル」の端境期に位置する、エポックメイキングな作品。
そんな評判を耳にすると確かに、「歴史的価値として観ておきたいなぁ」という気持ちはあります。
ですがこれをエンタテインメントとして考えると、今、放送されているものだけで充分というか、それさえも手に余っているのが現状です。
つまり、「温故知新」の「知新」だけもういっぱいいっぱいなのです。
ですのでその上に、「温故知新」の「温故」までを取り込もうという気持ちは、起きないでいます。
ですが『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』は最近、WOWOWハイビジョン&5.1chサラウンドステレオで拝見しました。
そこここに會川 昇さんテイストが効いていて、ほぼ予備知識なしで観てもこの劇場版は、たいへん面白かったです。
さて今回のスペシャルゲストは、なんと驚いたことに、脚本の會川 昇さんでした。
最初、そのスペシャルゲストさんが画面に映ったとき、「このおじさんは誰だろう?」と思っていました。
そうしたらなんと、紹介されたお名前が、會川 昇さん!
えーっと、これは是非ともご本人には内緒にして欲しいのですが、正直にいうと、「(横に)大きいなぁ」というのがファーストインプレッションでした。
ごめんなさい。
OBC『波乗り アニメジャーナル』や、OBC『アニメエクスタシー ~波乗り!妄想系~』を聴くために早起きしていた頃の印象だと、もっと違う感じだったので…
(それにしても、日曜日の早朝5時はキツかった!)
また喋りの方も"キレ"というか"斬れ"がなく、カメラを意識して緊張されているような面持ちでした。
テレビ慣れについては、元相方の小林 治さんの方が何枚も上手ですね。
あと以前、何かの番組で水島監督が仰っていたのですが、「最初にハガレンのオファーがあったときから、誰にも相談せずに、脚本は會川さんと決めていた」そうです。
その源流を辿ると、水島監督が前述の番組にゲスト出演されたことがきっかけだそうです。
ゲストの佐藤 藍子さんが衝撃を受けたという第7話「合成獣(キメラ)が哭く夜」には、自分も大いに衝撃を受けました。
番組中に何度も繰り返されていましたが、これを"土曜日夕方6時(一部地域を除く)"という、今の『BLOOD+』(監督:藤咲 淳一)の時間帯に放送していたんですね。
これは會川さんの力量でないと、受け止められないなと思いました。
岡田 斗司夫さんも仰っていましたが、これはスタッフの本気度の表れなんですよね。
本気で作品に向き合っているからこそ、自信をもってあれだけのものが描けるし、放送も出来る。
さて會川さんの次回作は、この10月から放送開始予定の『天保異聞 妖奇士』(監督:錦織 博)とのこと。
奇しくも放送時間帯は、『鋼の錬金術師』と同じ"土曜日夕方6時(一部地域を除く)"だそうです。
今度はきちんと観るようにします。
またこの広島市立大学で行われた公開録画の模様は、聖部翔さんのハガネノココログに、詳細レポートがその1、その2とエントリされていました。
大変参考になりました。
あとは kagirinakumugen さんの『遥か彼方辺境の・・・』にあります公開録画レポートや、放送された番組に対する3つからなるエントリが、たいへん読み応えがあり良かったので、ご紹介させて頂きます。
それでは、よしなに。(敬称略)
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コメント
はじめまして。トラバありがとうございます。こちらからもトラバさせていただきました。
會川さんの作品は、鋼のほかにはナデシコしか見ていないのですが、一見楽しそうな場面に、実は強烈な皮肉を織り交ぜて展開する構成が割りと好きだったりします。公録に行ったとき、會川さんが他のゲストの方の話を力強くうなづきながら聞いていらしたのをよく覚えています。また、受け答えや話しぶりから、とても頭の回転の早い方という印象を受けました。
私も會川作品の「天保異聞 妖奇士」は見ようと思ってます。
あの記事を「良かった」と言っていただけるとは思わなかったので、とても嬉しいです。ありがとうございます!
投稿: kagirinakumugen | 2006/08/13 20:56
kagirinakumugen さんこんばんは、こちらこそ初めまして。(^^)
『機動戦艦 ナデシコ』(監督:佐藤 竜雄)は、楽しい場面に気を取られていると、次のシーンでガツン!とやられる強烈な作品だったことを、今でも強く覚えています。
自分が會川さんの番組を聴いていた頃から、會川さんは天才肌の脚本家ではなく、非常に努力家で勉強家の脚本家だという印象を受けています。
そしてこの印象は、今回の『BSアニメ夜話』を観ても、変わることはありませんでした。
ところで、フリップの記述間違いって、いったい何をどのように間違えていたのでしょうか?
非常に気になります。
それでは、よしなに。(敬称略)
投稿: Akihiro Inda. | 2006/08/13 22:26
そのラジオ、今となっては一度聞いてみたいです。會川さんの人となりを知るには、アニメ夜話みたいな場よりも、そういうほうが分かりやすいでしょうし。
フリップはホムンクルスの説明で使われ、ホムンクルスのイラストと、名前と、名前の意味と、キャラ紹介の4つで構成されていました。
覚えている限りでは、たとえばスロウスのイラストの横にグラトニーと書いてあったり、グラトニーのキャラ紹介にグリードのものが書いてあったりというように、ばらばらになっていたのです。
ファンであればすぐに分かる間違いではあるのですが、公録中は司会者もゲストも気づかず、気づいた観客がざわめいていました。會川さんにとっては分かっていることなので、よく見ていなかったんじゃないかと思われます。
投稿: kagirinakumugen | 2006/08/14 00:20
kagirinakumugen さんこんにちは。
ご返答、ありがとうございます。(^^)
テレビ番組と違って過去のラジオ番組は、なかなか聴ける機会がないので、困ったものだと思っています。
デジタル化以降のラジオ番組は、アーカイヴ化して欲しいと思っています。
それでラジオ番組の主出演者のことを、パーソナリティと呼びます。
つまりラジオ番組は、その主出演者の人となり(=パーソナリティ)で成り立っているんですね。
さてフリップについてですが、何も知らないスタッフが作成したものとはいえ、そこで會川さんがツッコミを入れても良かったですね。
會川さんはフリップをよく見てなかった。もしくは、これは自分の勝手な予想ですが、正確さよりも番組進行を重視したのかな?
パーソナリティの會川さんは、リスナーにもスポンサーにも厳しい人でしたから。
それでは、よしなに。
投稿: Akihiro Inda. | 2006/08/14 15:47