【感想】『トップをねらえ２！』最終話「あなたの人生の物語」 on AT-X

　お盆休みを満喫しつつ、エントリアップを続けます。

　今回はＡＴ-Ｘの先行放送にて、ＯＶＡ『トップをねらえ２！』(監督：鶴巻 和哉)最終話「あなたの人生の物語」を拝見しました。
　これまで『遍在 -omnipresence-』では、全くといっていいほど『トップをねらえ２！』を取り上げてこなかったのですが、実は第１話からＡＴ-Ｘで、きちんと拝見していました。

　これから以下のテキストには、でっかいネタバレが含まれていますので、最終話「あなたの人生の物語」未視聴の方は、絶対にこれから先は読み進めないで下さい。

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　最初、第１話を観たときには、「これは『トップをねらえ２！』ではなく、『ＦＬＣＬ ２』の間違いだろう」と思っていました。

　というか今でもこの第１話は、『ＦＬＣＬ ２』で通用すると思っています。
　ところが作品は回を重ねるごとに、どんどんと前作『トップをねらえ！』(監督：庵野 秀明)に近付いていき、そして遂に第３話のラストでは、紛う事なき『トップをねらえ！』に…
　そして第４話は最初から、何もかもがまさに『トップをねらえ２！』でした。
　この盛り上がり方が、とても気持ちいいです。

　そして、そんなこんなで迎えた最終話「あなたの人生の物語」。

　偉大なる前作に対する続編というものは、往々にして見劣りするものです。
　ましてやそれは、作品の歴史年表上で地続きで繋がっている続編ならばなおのこと。
　そんな前作の歴史を引き受けつつも、続編としての独自の魅力を前面に押し出し、更に作品として前作を上回るもの描く。
　でも、そんな作品を創り出すことは、夢物語だろうと・・・

　ところがこの『トップをねらえ２！』は、その夢物語を現実のものとしました。

　AV Watch のこちらの記事によりますと、鶴巻監督曰く、「最初から今日の試写会は、七夕にやらなければ意味がないと思って作っていた。“間に合わないかも”と思った時もあったけど、多くのスタッフに支えられて完成させることができました」とのこと。
　いや、この七夕の理由には、本当に泪しました。
　もちろんこれは、自分が前作『トップをねらえ！』をリアルタイムで体験していたからこそ。
　密接に前作とリンクし、前作を乗り越え、そしてきちんと前作『トップをねらえ！』ワールドに帰結する。

　まさかこんな夢物語が具現化されるとは驚きです。

　ですので、今作『トップをねらえ２！』だけを観続けている方には、この最終話「あなたの人生の物語」を観る前には必ず、前作『トップをねらえ！』全６話を観て欲しい。
　でないとノノリリの意味や、バスターマシン１号２号の意味、そして、

「 オ カ エ リ ナ サ イ 」
の文字が持つ意味を、つまりはこの感動を享受できません。
　逆に、前作『トップをねらえ！』を体験していれば、自分でも驚くほどの感動が込み上げてくること請け合いです。
　自分の場合、左から右に流れる縦書きのスタッフロールに、しばし呆然としていました。
　そしてラストの、完
の文字には、自然と拍手を送っていました。

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　京都アニメーション作品をはじめとするＴＶシリーズのクォリティが上がり続ける中、ＯＶＡのレーゾンデートルは、ただただ薄れていく一方でした。
　ですがこの『トップをねらえ２！』は、ＯＶＡがＯＶＡであることをＯＶＡで証明した素晴らしいＯＶＡです。
　「ＯＶＡとは？」という質問に対する回答として、２０世紀の『トップをねらえ！』と２１世紀の『トップをねらえ２！』ほど適した作品はもう、他にないでしょう。

鶴巻 和哉監督以下総てのスタッフの皆さんへ、

素晴らしいＯＶＡをありがとう！

　それでは、よしなに。（敬称略）

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