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2006/03/22

【感想】『よみがえる空 -RESCUE WINGS-』第11話「ビバーク」

『よみがえる空 -RESCUE WINGS-』オリジナルサウンドトラック「That Others May Live
―他を生かすために」

 ということで、『よみがえる空 -RESCUE WINGS-』(監督:桜美 かつし)第11話「ビバーク」の感想です。

 前回の滑落事故で骨折した武田 駿介(CV:石井 真)と、それに付き添うリーダーの恒松 隆之(CV:中村 大樹)。
 助けを呼ぶため、ケータイが繋がる稜線まで登った、工藤 洋治(CV:園部 啓)と望月 健吾(CV:三戸 耕三)。
 ここで運命を分けた登山パーティー。
 『よみがえる空 -RESCUE WINGS-』はレスキューを通じて、我々に何を魅せてくれるのか?・・・

 激しい吹雪の向こうに見えた長野県警のヘリに向かって大きく手を振る、工藤と望月の二人。
 だけどそのヘリは視界不良のため、そんな二人に気が付くことなく過ぎ去ってしまう。
 翌日その二人は、帰らぬ人となって発見されました。
 また骨折した武田も、恒松が気が付いたときにはもう、事切れていました。
 恒松ももう駄目かと諦めかけたそんなとき、内田 一宏(CV:宮崎 一成)が搭乗するヘリオス78(UH-60J)が、ようやく恒松を発見します。
 ですが、『よみがえる空 -RESCUE WINGS-』はそんなに甘くありません。
 救助のため、メディックを下ろし始めたヘリオス78は、突然の強風に煽られて、姿勢を維持することができません。
 操縦桿を握る本郷 修二郎(CV:石塚 運昇)も、機体の姿勢維持に努めるのですが、自然の脅威には打ち勝つことができません。
 大きく揺れる機体に煽られて、ワイヤーで繋がれたメディックは、何度も雪の上に叩き付けられます。
 なかなか収まらない突風。
 だけど要救助者は、目と鼻の先にいる。
 この極限の状況下で本郷は、遂に現場から一旦離脱することを決意するのです。
 この、下で救助を待っていた恒松と眼を合わせながらも離脱していくヘリオス78と、それに吊り下げられたメディックの演出が堪りません。
 辛くもヘリオス78のキャビンに戻ったメディックは、肩で息をしながらも「もう一度下ろして下さい」と懇願します。
 だがヘリオス78は、本部より下ったミッション中止命令に従って、前進基地に帰投するのでした。

 この隔靴掻痒感が溢れる映像には、誰もが釘付けになったことでしょう。
 スタッフブログに於いて、杉山 潔プロデューサ(バンダイビジュアル)自ら「萌えも燃えもない、ひたすら地味でストイックな作品」と形容されるほど、突出するところない『よみがえる空 -RESCUE WINGS-』。
 だけどその映像には、いい知れない作り手の自信を感じずにはいられません。
 映像作品に限らず、作り手の熱い情熱が込められた作品は、多くの人を惹き付けます。
 次回はいよいよ、TVシリーズ最終回「レスキュー」。

 期待するだけ期待して臨みます。


 それでは、よしなに。(敬称略)

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