2006年が明けてから感想をアップするのもおかしい話ですが、ここはきちんと各話感想を認め、『遍在 -omnipresence-』の体裁を整えようと思います。
今頃になるTB(トラックバック)を、どうかご容赦下さい。
さて、Scene09「彼女の問題」の対となる今回のScene11「彼の問題」は、そのサブタイトル通り、宗介(CV:関 智一)の問題に迫る見事な作品でした。
作品内容については、てりぃさんやだんちさんのエントリをお読み頂ければと思います。
こんなにも深い内容に迫る感想は、他にはないと思いますので。
ということで自分はやはり、余りエントリを見掛けない、5.1chサラウンドステレオ放送から切り込んでいこうと思います。
さて今回は正月休みを活かしまして、2006年 1月 2日(月曜日)の昼間に、この『フルメタル・パニック! The Second Raid』(監督:武本 康弘)Scene11「彼の問題」を鑑賞していました。
昼間ということで、ヴォリュームは大盤振る舞いの-30.0dB(!)・・・
今のところ苦情は来ていませんが、階下の方ごめんなさい。
実は昨年末にうちのAVシステムへ、oyaide MTB-6 & Chikuma CPC-15HG/1.0 を導入しました。
まだまだエージングの途中なのですが、その甲斐あってか、大音声で聴いても不快感はなく、むしろ、もっと大音声で聴きたいぐらいです。
なので、-30.0dBでも大丈夫!…って、階下の方ごめんなさい。
これまではCMパートに入る度に、慌ててヴォリュームを下げていたのですが、今はそのままでも「気持ちよく音が出ているなぁ」という感じでして、特にヴォリュームを下げようとは思いません。
いくら深夜に放送されていた作品とはいえ、やはりこの『フルメタル・パニック! The Second Raid』は「大音声で愉しまないと」と、強く思いました。
ではその大音声が、作品をどう盛り上げているのか?
これが別段、作品を盛り上げていないのです。
Scene11には戦闘シーンがなかったこともあり、音響が前に出てくることはありませんでした。
では音響は何をしていたのかというと、ただ環境音を揃えることに終始されていました。
それぞれのシーンに合った"ブー"や"ジー"といった環境音が、5.1ch総てを用いて全体へ広がるように且つ、意識できるギリギリのところで流れていました。
この意識できるギリギリというのは、ヴォリュームの大小によるギリギリではなく、映像に対する環境音が余りにも自然なために意識しにくいということです。
しかもそれは、5.1ch総てを用いて表現されているため、指向性がなくなっています。
なので余計に環境音を意識しづらくなっています。
視聴者には意識させないが、確実にその映像に合致する環境音が、静かに視聴者を取り囲む・・・
つまりこの音響を大袈裟にいってしまえば、視聴者の無意識に訴え掛けてくる音響なのです。
このように大音声で意識的にリアチャネルやサラウンドバックチャネルに耳を傾けてみて、初めて気が付くぐらいの繊細な環境音の数々。
自分は先程、「作品を盛り上げていない」とタイプしたのですが、これはあくまでも意識下に於いての話です。
こんなにも自然と作品に寄り添いさり気なく、だけどとても力強く作品を盛り上げる音響には、なかなかお目に掛かれるものではありません。(音だから「お耳に掛かる」かな?)
しかも『フルメタル・パニック! The Second Raid』は、劇場用の作品ではなくTVシリーズ用の作品です。
映像作品に限らず、名作は常に作品の枝葉末節に至るまで総てに於いて、作り手の神経が行き届いているもの。
それをTVシリーズで味わえるとは、「『フルメタル・パニック! The Second Raid』恐るべし」といったところでしょうか。
ということで、UMD(Universal Media Disc)などの2chステレオや、もしかするとモノーラル環境で『フルメタル・パニック! The Second Raid』をご覧になっている方もいらっしゃると思います。
ですがこのように、5.1chサラウンドステレオ環境だと、より作品に没頭できること請け合いです。
作品を骨の髄までしゃぶり尽くすという意味も込めまして、5.1chサラウンドステレオ環境でご覧になることを強くお薦めします。
それでは、よしなに。(敬称略)
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