« 2005年8月 | トップページ | 2005年10月 »

2005年9月

2005/09/29

【5.1ch】『フルメタル・パニック! The Second Raid』Scene10「ふたつの香港」

つづくオン・マイ・オウン フルメタル・パニック! 皆さん、お久し振りです。
 長らく、『フルメタル・パニック! The Second Raid』(監督:武本 康弘)の感想をお待たせしてすいません。

 さて、Scene08の感想もまだ途中のうえ、Scene09の感想もまだアップしていないのですが、今回は先にScene10の感想をアップします。(現在はアップしています)
 といいますのも、てりぃさんの方から、うちの感想エントリへのご紹介がありまして、ここは応えなければと思い至りました。
 ということでまずは、てりぃさんの該当エントリをお読み頂きましてから、拙文に眼を通して頂ければ幸いです。



 さて、てりぃさんが最もぎこちないシーンとして挙げられたのが、放送開始後18分25秒あたりです。
 このシーンが不自然に見えるのには、幾つものファクタがあると思います。
 その中で自分が一番大きいファクタだと感じたのは、車体を正面に捉えた絵から、真横に捉えた絵になるまでの中割が、たった2コマしかなかったことです。
 そのため、車体が交差点の手前で減速して、交差点を抜けながら再加速しているように見えなかったのだと思っています。
 ですが逆にいうとこのシーンは、たったの2コマで、遠心力で車体を傾けながら交差点を曲がっていることを表現しているともいえます。
 コマ割りが均等に0度、30度、60度、90度ではなく、0度、15度、40度、90度とずれているのが、リミテッドアニメーションの妙です。
 つまりTVシリーズのアニメーションとしては、充分な表現ではないかと・・・
 ですが『フルメタル・パニック! The Second Raid』は、ハイクォリティの名をほしいままにしている作品です。
 特にその後のシーンにある、縦横無尽に動くAS(アームスレイブ)コダールは、5.1chサラウンドステレオ放送も相俟って、凄い迫力でした。
 ですので余計に、件のシーンが残念でなりません。

 こちらは既に、ほぼ全編の車輌シーンを3DCGI(3 Dimension Computer Generated Images)で創り上げた、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』(監督:神山 健治)や『APPLESEED』(監督:荒牧 伸志)を眼にしています。
 そのため、2Dの拡大縮小変形による奥行き表現ではもう、満足できないようになっています。
 コンピュータ・半導体関連はムーアの法則に従って、日進月歩どころか秒進分歩の世界です。
 ドッグイヤーです。
 自身が生み出す2Dアニメーションに見劣りしない3DCGIを、京都アニメーションが手に入れる日。
 そんな日が一日でも早く訪れることを、心から愉しみにしています。


 それでは、よしなに。(敬称略)

| | コメント (3) | トラックバック (4)

2005/09/22

【購入】『serial experiments lain』TV-BOX

lain_dvd ということで購入してきました、『serial experiments lain』TV-BOX(GNBA-5066)。

 ちなみに、右の青いボックスが『serial experiments lain』DVD-BOX Яesurrection(PIBA-1169)で、上に載っているのが『serial experiments lain』lif.01(PIBA-1011)です。
 同じものを幾つも…という意見は却下です。(笑)
 これは余談ですが、PIONEER LDC Inc.(現 GENEON ENTERTAINMENT)では、この『serial experiments lain』が初めて、LDの売上をDVDの売上が抜いた作品だそうです。

 さて、まだ少ししか観ていないのですが、以前に発売されたものと、画質や音質に変わりはないようです。
 ただ、うちのDVDプレイヤは TOSHIBA RD-X3ですので、もっと良いプレイヤで再生すれば、違いが見えてくるかも知れません。
 今回のTV-BOXはЯesurrectionと違い、きちんとオーサリングをし直しているのですからせめて、LPCMで収録して欲しかったと思います。
 また、Яesurrectionには封入されていた特典ディスクの映像は収録されていませんし、各巻に封入されていたライナーノーツもありませんでした。
 もちろん、テレフォンカードも封入されていません。
 ですがその代わり、定価でも¥12,600-(税込み)という非常に魅力的な価格設定です。
 イラストカードやピクチャーディスクという特典もありますが、これは作品を愉しむためのTV-BOXでしょう。
 このTV-BOXによって一人でも多くの人に、『serial experiments lain』(監督:中村 隆太郎)を知って貰えればと思います。

 人はみんなつながっている……


 それでは、よしなに。(敬称略)

| | コメント (5) | トラックバック (0)

【5.1ch】『フルメタル・パニック! The Second Raid』Scene09「彼女の問題」

音程は哀しく、射程は遠く  フルメタル・パニック! 2005/10/10(Mon)21:00・・・
 さて、放送からもう随分と時間が経ってしまいましたが、「彼女の問題」の感想です。

 雪野 五月さんの演技を超えた、千鳥 かなめに惚れました。
 これまで雪野さんといえば、その立ちすぎる演技故、下手をするとキャラクタを喰ってしまう役者という印象を持っていました。
 『犬夜叉』(監督:池田 茂(~#44),青木 康直(#45~))の日暮 かごめや、『ΠΛΑΝΗΤΕΣ』(監督:谷口 悟朗)のタナベ アイなどの例を出すまでもなく、気丈で元気な女の子を演じさせれば、雪野さんの右に出る者はいない。
 自分はそう言い切ってしまっても構わないと考えています。
 ですが、そのぐらいはまり役が過ぎる故に、「また雪野さんか…」と思うこともしばしば。
 そして、『フルメタル・パニック! The Second Raid』(監督:武本 康弘)の千鳥 かなめも、この雪野さんお得意キャラクタの延長線上にあります。
 いや、もう、「ありました」と過去形にするのが適切でしょう。
 そのぐらい今回の Scene09 をもって、千鳥かなめというキャラクタは、大きく成長したなぁと感じました。
 雪野さんが演じる千鳥かなめから、千鳥かなめの声は雪野さんへと、主従関係が逆になったと思います。

 さて、前回のテレサ・テスタロッサ(CV:ゆかな)の感情の昂ぶりは、元々持っていたであろう彼女の一面がようやく出てきたという感じでした。
 ところが今回のかなめは、それまで持ち合わせていなかった彼女の一面を、自分の力で手に入れた。
 言い換えれば、これまで宗介(CV:関 智一)の頭をハリセンで叩きながらも、心の何処かで宗介のことを頼っていた弱い自分を、自分の力で捨て去ろうとしている。
 この"自分の力で"というところが、観ている者に勇気を与えます。

 一旦落ち込んで、そこから立ち直ると一回り成長しているというドラマは、どこにでもよくあります。
 ですがそれを、自分の力で成し遂げたというところに、他作品の追随を許さない、『フルメタル・パニック! The Second Raid』の力があると思います。

 さぁ次は、Scene10「ふたつの香港」を挟んで、Scene11「彼の問題」です。
 宗介はいかにして、自分の力でのし上がるのか。


 それでは、よしなに。(敬称略)

| | コメント (0) | トラックバック (7)

2005/09/15

【5.1ch】『フルメタル・パニック! The Second Raid』Scene08「ジャングル・グルーブ」

踊るベリー・メリー・クリスマス フルメタル・パニック! さて、三週間振りの御無沙汰でした、『フルメタル・パニック! The Second Raid』(監督:武本 康弘)。

 今回は何といっても、テッサことテレサ・テスタロッサ(CV:ゆかな)の感情の昂ぶりが良かったです。
 作画、演出、役者の演技、どこをとっても非の打ち所がありません。
 今でこそこうして落ち着いていますが、リアルタイムで観ていたときは、それこそこれが人が創り出した作品であることを忘れて、まるで目の前で起こっている事実かのように観入っていました。
 いくらTDD(トゥアハー・デ・ダナン)を束ねているといっても、テッサもやはり年齢相応の女の子なんだと。

 泣きの芝居を真正面から正攻法で表現する。
 TVシリーズ『AIR』(監督:石原 立也)のときもそうでしたが、こういった映像で京都アニメーション制作の右に出るところはあるのでしょうか?



 さてここからは、10月に入ってからタイプしているのですが、もう随分と細かいところを忘れています。
 ですが、ベルファンガン・クルーゾー(CV:小山 力也)のキャラクタが際立っていたことは、よく覚えています。
 他の多くの作品では、精々イヤな上官というステレオタイプなキャラクタになるところが、クルーゾーは違う。
 きちんと良心ある人が、わざと宗介(CV:関 智一)やクルツ(CV:三木 眞一郎)に辛く当たっていることが、独白や説明台詞ではなく、映像から伝わってくる。
 主人公にストレスを与えるキャラクタが、視聴者のストレスにならないというのは快挙だと思います。
 卑近な例でいえば、『地獄少女』(監督:大森 貴弘)でとも蔵さんの演じられたいじめっ子なんて最悪でしょう。
 『なるたる』(監督:飯野 利明)でかほるんさんが演じられたいじめっ子の方が上だという意見もあるでしょうが、とにかく主人公にストレスを与えるためには、多かれ少なかれ視聴者へのストレスも避けられません。
 と、思っていたのですが・・・
 どうやらそれはキャラクタの造型次第で、どうとでもなったようです。
 高いテクニックをもってすれば、クルーゾーのようなキャラクタをも立てられる。

 次回の『フルメタル・パニック! The Second Raid』も、愉しみにしています。


 それでは、よしなに。(敬称略)

 P.S. 10月に入ってからの遅すぎるTBに、どうかご容赦を。Scene09もその内アップしますので、何卒。

| | コメント (0) | トラックバック (7)

2005/09/12

ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~♪

撲殺天使ドクロちゃん(6) ということでいよいよ最終回!

 こういったギャグもののお約束として、最後はお涙頂戴で締めるというのがありまして、『撲殺天使ドクロちゃん』(監督:水島 努)もそのパターンでいくのかな?と思っていたら、本当にそのパターンできました。(^^)
 お約束は外さない。
 だけどそのお約束は、たいへん心地の良いものでした。
 お約束を退屈せずに魅せられるというのは、作品としてたいへん高いレベルであったからこそだと思います。
 思いますが・・・
 やはり『撲殺天使ドクロちゃん』は、常に何もかもをやりすぎているので、余り高いレベルには見えないかな?
 WEBアニメスタイルミニインタビュー記事にも水島監督自身の言葉で、「あれは最もそっち方向の、行き着いたところですね(笑)。」とありますから。

 それにしても今回は最終回ということもあり、撲殺シーンの長いこと長いこと。
 最期のなんて、一分間ぐらいあったんじゃないかと思うぐらいに長かったです。
 そしてその後の、ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~♪も最終回用の特別版で、ぴぴるぴるぴるぴぴるぴるぴるぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~♪と、いつもより多い目に呪文詠唱(?)がありました。

 確かに『撲殺天使ドクロちゃん』は面白い!
 だけど・・・
 正直にいうと、その宣伝番組であるはずの、『木工ボンド部 Presents 千葉紗子の「びん・かん ドクロちゃんねる」』の方が断然面白い!
 特に人生相談が…相談内容もさることながら…ざっくばらんな受け答えがまた凄い。(笑)
 TE-A Room は東芝エンタテインメントのサイトなので、DVDの最終巻発売とともに、配信されている番組は終了していくのですが、『ドクロちゃんねる』は何とかして続けて欲しいです。
 以前、TE-A Room とわう*アニで配信されていた『グレネーダー ~ほほえみのネットラジオ~ 高橋美佳子と中井和哉の「ご一緒しませんか?」』は、松竹の宣伝費で『グレネーダー ~ほほえみのネットラジオ~ 高橋美佳子と中井和哉の「ご一緒しませんか?」マンモス ぱぉーん』として、期間限定ではありますが復活しました。
 こんな感じで『ドクロちゃんねる』を、末永く聴き続けたいです。

 ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~♪


 それでは、よしなに。(敬称略)

 P.S. 『ドクロちゃんねる』にて、水島努さんが水島精二さんのことを「兄貴」と呼ぶから、てっきり兄弟だと信じてしまったじゃないか!(笑)
 自分も釘宮理恵さん宜しく、水島さんに騙されてしまいました。

 P.S.のP.S.末永くなんてタイプした矢先に、2005/09/27(Tue)配信分の第36回放送にて、最終回になってしまいました・・・

| | コメント (0) | トラックバック (4)

2005/09/10

【感想】『yoshitoshi ABe lain illustrations ab# rebuild an omnipresence in wired』

『yoshitoshi ABe lain illustrations ab# rebuild an omnipresence in wired』 ということで購入してきました、『yoshitoshi ABe lain illustrations ab# rebuild an omnipresence in wired』(ISBN4-89829-487-1)。

 たまたま10日(土曜日)は休日出社していまして、社外で昼食を食べた帰りにふと、書店に立ち寄ってみると、なんと『yoshitoshi ABe lain illustrations ab# rebuild an omnipresence in wired』が売っているじゃありませんか!
 もちろん、即購入しました。

 実はこの画集、5日(月曜日)発売だったようです。
 ですが、この文頭にある楽天ブックスのリンク先を見ても分かるように、この画集は10月発売扱いになっていました。
 自分はこの発売日に、紀伊國屋書店の店内端末にて、この『yoshitoshi ABe lain illustrations ab# rebuild an omnipresence in wired』の発売日が10月であることを知り、5日(月曜日)には書店に立ち寄らなかったのですが、こんなことなら5日(月曜日)に買いに行けば良かったです。

 さて内容の方はといいますと、基本的には『an omnipresence in wired yoshitoshi ABe』(ISBN4-7897-1343-1)と同じなのですが、ページ構成が大きく変わり、新作も多数収録されているため、画集から受ける印象が随分違います。
 それこそ、安倍吉俊さんの新しい画集だといっても、通じるぐらいです。
 そして、どこをどう切り取っても、『serial experiments lain』だなぁというのが、とっても嬉しいです。
 この『yoshitoshi ABe lain illustrations ab# rebuild an omnipresence in wired』を読んでいると、玲音が自分の心にガシガシ楔を打ち込んでくるんですよね。
 だけどそれと同時に、「これは他の人には伝わらないだろう」という想いもあります。
 ですので自分は、『serial experiments lain』をなかなか人に薦められないでいます。
 もちろん実際には、PlayStation『serial experiments lain Close the world,.txEn eht nepO』(SLPS-01603~4)が中古市場で高騰していたり、今月の22日(木曜日)にTV-BOXが発売されることからも、人気の高い作品であることが伺えます。
 自分と同じように、玲音に魅了されている人がたくさんいるのでしょう。
 だけど玲音は、そんなにも高い人気を誇る作品なのだろうか?と。
 いや、この感情を正確にタイプすると、"玲音は自分だけの玲音でいて欲しい"かな?
 しかしこれこそが、生意気にも当ブログがお名前を肖った『遍在 -omnipresence-』、そのものでしょう。
 玲音はみんなの心の中に、それぞれの玲音が遍在している・・・

 この『yoshitoshi ABe lain illustrations ab# rebuild an omnipresence in wired』の巻末は、安倍吉俊さんのこの言葉で締め括られています。

改めてこの本が皆さんにとっての玲音が遍在し得る領域を拡げてくれる事を願います。
 このブログや拙文は、玲音が遍在し得る領域を拡げるお役に、立てているでしょうか?


 それでは、よしなに。(敬称略)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/09/07

【結果発表】感想率調査2005年夏

 先日まで、光希桃 Anime Stationで行われていた感想率調査2005年夏の結果が、ようやく発表されました。

 前回の調査時と同じことをタイプするのですが、自分ではかなり厳しいつもりでいました。
 ですが、評価きびしさランクは25位です。
 まだまだ自分よりも厳しい人が、たくさんいらっしゃるんです。
 前回は43位でしたので、それよりかは厳しくなっているのですが、それでもまだまだです。
 うちのブログの更新タイミングを見て頂ければ分かるように、リアルタイムについていけている作品は極僅かです。
 日曜日の夜にはいつも、「嗚呼、今週も観られなかった作品がたくさん残っているなぁ」と、ウンザリしています。
 特にトゥルーハイビジョン放送番組は、その映像に負けないように少しだけ大き目のヴォリウムで、ドップリとその世界観に浸りたいと思うので、観るのがどうしても後回しになってしまいがちです。
 植田佳奈さんではないですが、やはり1日36時間ぐらいは欲しいです。(苦笑)
 こうして自分はいつも、時間の捻出には頭を抱えていますので、秋の新番組は、これまで以上にバッサバッサと見切っていこうと思います。

 さて最後になりましたが、主催の光希桃さん、お疲れ様でした。
 また次回がありましたら、是非参加させて下さいね。


 それでは、よしなに。(敬称略)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/09/04

【感想】『AIR In Summer』(後編)「あめつち -universe-」

【DVD】『AIR In Summer』<初回限定版> さていよいよ、泣いても笑っても最期のTVシリーズ『AIR』(監督:石原 立也)。

 心配された台風14号(ナービー)による受信障害もなく、快適に愉しむことが出来ました。
 出来たのですが・・・
 「あめつち -universe-」のサブタイトルは、少しだけ大きすぎたかな?という印象が拭えません。
 @nifty辞書で「あめつち」をひいてみると、

(1)大空と大地。宇宙。てんち。
「―のともに久しく言ひ継げと/万葉 814」

(2)天の神と地の神。
「―の堅めし国そ大和島根は/万葉 4487」

とあります。
 これらのファクタが全くないことはなかったのですが、視聴後感にこれらは余り残っていませんでした。
 それよりも残っているのが、神奈(CV:西村 ちなみ)のコロコロ変わる表情ですね。
 愛のある暴言を吐きながら、ぷんすか頬を膨らましているかと思えば、照れた表情で頬を赤らめている。
 時好に投ずる言葉でいうと、「ツンデレ」でしょうか?
 本当に観ているだけで愉しかったです。



 さて話をアバンタイトルに戻しまして、まずは前編の続きから。
 前編の凶悪な引きが、そのままこの後編のアバンタイトルになっていました。
 あれだけ凶悪な引きなのだから、ここは当然、王道中の王道で来るのが定石だと思っていたら、本当に神奈はただ、柳也(CV:神奈 延年)にお手玉を見せに来ただけだった。(爆笑)
 もちろんこのお約束には笑ったけど、これであの引きは詐欺だよぉ。(笑)
 幼気な視聴者は例外なく騙されるって。(苦笑)
 だけど後半には神奈の半裸シーンが割と長い時間用意されていて、なんだ、やれば出来るじゃないかという感じでした。

 あと印象に残っているのは、柳也が過去を振り返るシーンです。
 神奈と柳也の向こうに描かれた満天の星空が、本当に綺麗でした。
 「これはトゥルーハイビジョン放送ではない」と頭では分かっているのですが、自分を魅了するこの背景には、最期の最期まで心を奪われってぱなしでした。
 どんなに腕の立つ作家が言葉を重ねても、あの背景の美しさを言葉で伝えることは叶わないのでは?と思っています。
 この『AIR In Summer』は、神奈と柳也と裏葉(CV:井上 喜久子)の三人が主役なのですが、四人目の主役は間違いなくあの背景でしょう。
 台詞を話すわけでもないのに、こんなにも情熱を雄弁に語りかけてくる背景は、他の三人にも負けていないと思います。

 あとは今回、キャラクタ同士の心の繋がりを意識することが多かったです。
 それまで、山賊に対してのものだとばかり思っていた雲水の念仏を、神奈は一度柳也から話を聞いただけで、それは柳也のための念仏だと看取する。
 これは神奈の一言で、長いこと報われなかった柳也が救われた瞬間でした。
 柳也はずーっと神奈のことを守っていたのだけど、神奈だってきちんと柳也を支えている。
 こういった心の繋がりがあるからこそ、『AIR』は男女愛のそれではなく、家族愛の物語なんだと思っています。
 所謂「萌え」云々というのは、『AIR』のコアを構成していないんじゃないのかな?

 そしてもう一つの心の繋がりは、神奈と観鈴の繋がりでしょうか?
 神奈が今見た夢を語るシーンでは、1カットだけ、真夏の風に揺れるいくつもの大きな向日葵が映し出されていました。
 『AIR』に於ける向日葵といえば、それはもう、観鈴のメタファ以外には考えられません。
 観鈴は繰り返し夢を見ることで、1000年の時を超えて神奈を解き放ちましたが、実は神奈も観鈴の夢を見ていたのですね。
 お互いに夢を見ることによって繋がっていく二人。
 じーんとする、いいお話ですね。

 さて、ラストシーンの、神奈の最後の台詞は、

「末長く、幸せに暮らすのだぞ」
でした。
 これはTVシリーズ『AIR』第九話「つき -moon-」で、神奈が柳也と裏葉に与えた最期の命そのものです。
 このあと、空に1000年幽閉される神奈の幸せは、周りの人の幸せなのかも知れません。
 自分は母ウサギの許へと帰った子ウサギを見ながら、そんなことを考えていました。



 さて、自分の2005年は、TVシリーズ『AIR』で始まりました。
 観る者を魅了するその圧倒的なクォリティ。
 映像も音声も物語もその何もかもが、まさに圧倒的。
 自分がどのくらい圧倒されたかというと、このブログを本格的に稼働させ、毎週TVシリーズ『AIR』の感想を認めるようになったぐらいです。
 当時、『AIR』を観ていた多くの人は、原作ソフトをプレイされていた方ばかりでしたので、その尺ギリギリまで詰め込まれた内容と、"信者"と呼ばれる人達をも唸らせる、桁違いの原作再現力ばかりが話題になっていました。
 ですが当時の自分は、原作ソフト未プレイでした。
 そのお陰なのか、物語の流れも早過ぎるとは感じませんでしたし、原作再現についても全く気にならなかったので、純粋にTVシリーズ『AIR』を一つの作品を観ていました。
 それでも、掛け値なしに面白い!
 往々にして、自分が面白い!と感じた作品は、多くの人には受け容れられず、逆に自分が詰まらない!と感じた作品ほど、より多くの人に受け容れられていました。
 ところがTVシリーズ『AIR』は、本当に多くの人に受け容れられている。
 ブログを通じてたくさんの人とコミュニケーションを取り、それによってTVシリーズ『AIR』に対する造詣が深まっていく。
 この感覚がとっても嬉しかった。
 今も当ブログでは、TVシリーズ『AIR』と同じ、京都アニメーション制作の『フルメタル・パニック! The Second Raid』(監督:武本 康弘)の感想を認めていますが、コミュニケーションを取っている人数や造詣に、そこまでのものはありません。
 やはりTVシリーズ『AIR』は、一生に数回しか巡り逢えない、珠玉の名作なのでしょう。
 何十年後になるかは分かりませんが、またTVシリーズ『AIR』のような作品に出逢えることを、愉しみにしています。

 最後になりましたが、石原立也監督以下総てのスタッフの皆さんへ。
 珠玉の名作をありがとうございました。


 それでは、よしなに。(敬称略)

| | コメント (4) | トラックバック (15)

2005/09/03

【大募集】「劇場版AIR」の第2回感想集計アンケート

劇場版『AIR』 さて、お知らせが遅くなったのですが、8月23日(火曜日)~9月22日(木曜日)の間、てりぃさんの特設サイトでは、「劇場版AIR」の第2回感想集計アンケートが行われています。

 このアンケート企画は、てりぃさんが個人で行われているものなのですが、規模や内容的には、東映アニメーションVisualArt's/Key が、リサーチ会社から購入しても構わないぐらいの立派なものです。
 ですので、劇場版『AIR』(監督:出﨑 統)を少しでもご覧になったことがある方には、是非ともこのアンケート企画に参加して欲しいと思っています。

 9月 3日(土曜日)の時点で、既に200を超える投票が集まっています。
 これだけの数が集まれば、作品と鑑賞者による傾向が、かなり見えてくると思います。
 このアンケート結果によって、劇場版『AIR』に対する造詣は、間違いなく深まることでしょう。

 そしてそれを更に深めるものが、これからあなたが投じる一票なんだと思います。


 それでは、よしなに。(敬称略)

| | コメント (0) | トラックバック (1)

« 2005年8月 | トップページ | 2005年10月 »