【5.1ch】『フルメタル・パニック! The Second Raid』Scene10「ふたつの香港」
皆さん、お久し振りです。
長らく、『フルメタル・パニック! The Second Raid』(監督:武本 康弘)の感想をお待たせしてすいません。
さて、Scene08の感想もまだ途中のうえ、Scene09の感想もまだアップしていないのですが、今回は先にScene10の感想をアップします。(現在はアップしています)
といいますのも、てりぃさんの方から、うちの感想エントリへのご紹介がありまして、ここは応えなければと思い至りました。
ということでまずは、てりぃさんの該当エントリをお読み頂きましてから、拙文に眼を通して頂ければ幸いです。
さて、てりぃさんが最もぎこちないシーンとして挙げられたのが、放送開始後18分25秒あたりです。
このシーンが不自然に見えるのには、幾つものファクタがあると思います。
その中で自分が一番大きいファクタだと感じたのは、車体を正面に捉えた絵から、真横に捉えた絵になるまでの中割が、たった2コマしかなかったことです。
そのため、車体が交差点の手前で減速して、交差点を抜けながら再加速しているように見えなかったのだと思っています。
ですが逆にいうとこのシーンは、たったの2コマで、遠心力で車体を傾けながら交差点を曲がっていることを表現しているともいえます。
コマ割りが均等に0度、30度、60度、90度ではなく、0度、15度、40度、90度とずれているのが、リミテッドアニメーションの妙です。
つまりTVシリーズのアニメーションとしては、充分な表現ではないかと・・・
ですが『フルメタル・パニック! The Second Raid』は、ハイクォリティの名をほしいままにしている作品です。
特にその後のシーンにある、縦横無尽に動くAS(アームスレイブ)コダールは、5.1chサラウンドステレオ放送も相俟って、凄い迫力でした。
ですので余計に、件のシーンが残念でなりません。
こちらは既に、ほぼ全編の車輌シーンを3DCGI(3 Dimension Computer Generated Images)で創り上げた、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』(監督:神山 健治)や『APPLESEED』(監督:荒牧 伸志)を眼にしています。
そのため、2Dの拡大縮小変形による奥行き表現ではもう、満足できないようになっています。
コンピュータ・半導体関連はムーアの法則に従って、日進月歩どころか秒進分歩の世界です。
ドッグイヤーです。
自身が生み出す2Dアニメーションに見劣りしない3DCGIを、京都アニメーションが手に入れる日。
そんな日が一日でも早く訪れることを、心から愉しみにしています。
それでは、よしなに。(敬称略)
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コメント
どーもー、早速飛んで参りました。
「中割り」というのはある種のキーワードなんですよねー、AIR関連でインタビューに答えてた代表取締役のセリフにもありましたから。もちろん、今回のそれが予算削減の結果だとは決して思ってませんけど、やはり残念だった部分には変わりありません。
一方で、「こんなとこつついてるオレってなんだろう?」という根本的な疑問もなくはないんですが、まーこういうこともあるんですね。
急ぎの記事アップ、お疲れさまでした。そしてありがとうございました。お忙しいところとお見受け致しますが、どうぞお体をいたわってお過ごし下さいね。
投稿: てりぃ | 2005/10/02 01:44
もしかして・・・いや、俺の中では最近確信に変わりつつある事実として、「京アニ」は、人物や日常を描くのは「神」なのだが、現実的なメカを動かすのが苦手?
実は「AIR」でも晴子のドゥカに違和感を覚えました(動画・静止画共に)。
余談ですが、静止画ケンメリRはワロタw
前作・ふもっふの出来が良かったと感じたのは、キャラクター達がストーリーのテンポ良く見事に動き回るギャグ作品だったので、そういえば小物以外のメカは登場が少なかったので、違和感が無かったのかも知れませんねぇ。
投稿: ごす | 2005/10/02 09:21
こんばんは。相変わらず返信が遅くてすいません。
三連休の初日は、未視聴番組に追われていました。(苦笑)
これは明日も続いたりします。(^^;
さて、「こんなとこつついてる」についてはまぁ、どんなに分野にもあることだろうと思います。
突き詰めていけば、1本100万円のスピーカにだって、1台200万円のアンプにだって、気になるところは出てくるでしょう。
ですので自分は、指摘内容が的を射ていれば、それは細かいところでも構わないと思っています。
さて、ごすさん指摘のメカについては、京都アニメーションに限ったことではないと思っています。
特に、手近なところに比較対象があるクルマやバイクや電車などは、難易度も跳ね上がっていることと思います。
それでは、よしなに。
投稿: Akihiro Inda. | 2005/10/08 22:06