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2005/05/01

【感想】『APPLESEED』(WOWOW)

 2005/05/01(Sun)はWOWOWで、『CASSHERN』(監督:紀里谷 和明)、『APPLESEED』(監督:荒牧 伸志)が立て続けに放送されました。
 どちらも、ハイビジョン5.1chサラウンドステレオ放送ということで、期待は高まります。
 早くこういった放送形態が、今のステレオ放送のように当たり前になって欲しいと思います。

 それで『CASSHERN』の方は公開当時に、ワーナー・マイカル・シネマズ茨木にて鑑賞しておりますので、今回は理解を深めるために観ました。
 その時の感想はこちらに認めていますので、お読み頂ければ幸いです。
 ということで今回は、『APPLESEED』の感想を認めようと思います。


APPLESEEDアップルシード コンプリートBOX ゴールデンウィークとはいえ、平日の昼間から自宅で、-25dBの大音声をもって観る映画って、凄くいいですね。
 たまにこういった時間があるから、なかなかWOWOWとの契約を切れないんですよね。(苦笑)
 ということで今回は、リアルタイムではなく、録画したものを次の日に観ました。
 さて、そんな大音声のお陰で、目の前で大爆発音がするかと思えば、左後ろからは、とても小さな金属音が聞こえてくる。
 そのぐらい音響面では、文句の付け所がなかったです。
 MPEG2-AAC 5.1ch でもこれだけ聴かせてくれるのですから、DVDに収録されている dts 5.1ch では、もっともっと聴かせてくれることでしょう。

 そして『APPLESEED』は「3Dライブアニメ」を標榜しているだけあって、映像面でも凄いです。
 『ファイナルファンタジー』(監督:坂口 博信)が"静"を志向しているのに対して、『APPLESEED』は"動"を志向しているぐらいの違いでしょうか。
 もう、このぐらいのレヴェルになると、CGだから云々、実写だから云々というカテゴライズはナンセンスだと思います。
 どちらも背景美術には、甲乙付けがたいと思います。
 ですが人物描写には大きな違いがあります。
 『ファイナルファンタジー』は人物までもリアル志向で描いています。
 そのため、総ての画面内のオブジェクトには同一密度のテクスチャが採用されていて、背景との違和感はなく、キャラクタも最後までその世界観に馴染んでいました。
 ところが『APPLESEED』のキャラクタは総て、トゥーンシェイダーによってセル画タッチで描かれています。
 そのためテクスチャ密度の違いから、カメラが引いたときなどに背景からキャラクタが浮いて見えてしまい、最後までキャラクタは世界観に馴染むことがありませんでした。
 個人的にここは少し残念に思う部分なのですが、『APPLESEED』はこの手法を選択したからこそ一流のアクション映画になり得たと思います。
 『ファイナルファンタジー』の手法では、ここまでのアクションは描けなかったものと思います。
 何年後になるかは分かりませんが、『ファイナルファンタジー』の手法による、一流のアクション映画が生まれることを期待します。


 次はストーリーについて。

 もしも『APPLESEED』にこのストーリーがなければ、自分はこの感想をアップしていません。
 そのぐらい、ストーリーが良かったのです。
 どんなに映像技術が進化しようとも、映画にとってそれらが何のためにあるかといえば、それは感動を伝えるためです。
 お話の感動なら小説でも充分ですし、映像の感動なら実験映像でも充分です。
 ですが映画の感動は、そこに音響も加え、それらが渾然一体となって初めて伝わるものです。
 いや、その渾然一体となった感動を伝えたいからこそ…そして観客はその感動を味わいたいからこそ、映画文化は未だに廃れずにあるのでしょう。

 ですが、ネット上に散らばる感想を拝見しますと、やはり「ステレオタイプなシナリオ」とタイプしている人が…
 それからもう一つ多いのが、「アニメ絵が云々」「リアルじゃないから云々」と…
 いつも思うのですが、こういった、それこそステレオタイプな文句をいう人って、自分の審美眼がショボイということを宣伝しているだけだとは・・・まぁ、思っていないんでしょうね。(苦笑)

 しかしながら、このストーリーとアクションが100%融合しているのか?と訊かれると、そこはちょっと弱いかな?と…
 このストーリー展開は、アクションシーンのためにある部分が強いですし、あのラストなら、何もあれだけのアクションシーンを用意しなくても、描けたのではないか?と思います。
 ですがそれでも『APPLESEED』は、観る人に愛を託した素晴らしい作品です。
 宣伝などで「3Dライブアニメ」を前面に押し出しているため、映像面ばかりに眼がいってしまいますが、作品のコアは映像ではなく伝えたいものです。

 一人でも多くの人に、『APPLESEED』を愉しんで欲しいと思います。


 それでは、よしなに。(敬称略)

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コメント

APPLESEEDとは何の関係もないのですが、GWネタということで、それと予告を兼ねてTBさせていただきました。
我が家は今夜祭です。

投稿: ぐれげ | 2005/05/03 12:44

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» GW,私はオタク 投稿者:ぐれげ [〜腐女子とアニヲタの間を取り持つブログ〜]
  まさかGWをこんなふうに過ごすようになるなんて夢にも思わなかった去年の今頃。大充実ダナァー。     28(thu)ワンピース劇場版 30(sat)三宮オタク巡礼 1(sun)【まさかの】三宮オタク巡礼【2巡目】 2(mon)ヒキコモリ 3(tue)スパロボ春の陣・LO... [続きを読む]

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