【感想】『英國戀物語エマ』第四章~ミューディーズ~
(アフリカ象みたいな)インド象の次は、蒸気自動車ですか。
やることが大胆というか何というか、第一章の頃の舞台設定による窮屈さはどこ吹く風で、とてもいい感じです。
さて、今回のサブタイトルにもなっているミューディーズで、ウィリアム(CV:川島 得愛)とハキム(CV:うえだ ゆうじ)がエロ本…もとい、グラビアアイドル本(?)を立ち読みするというシーンがありました。
ここでお約束として、エマ(CV:冬馬 由美)が通り掛かるわけですが、このときハキムはひっそりと身を引いているんですね。
つまりこれは、自分は物陰に隠れ、エロ本を読んでいるウィリアムを、エマに見せ付けようという、ハキムの魂胆なのかと。
またその後、ウィリアムとハキムによる、テニス(の原型?のようなもの)対決がありました。
自分はこの後のエレノア(CV:小林 沙苗)の描写から、てっきりハキムがわざと負けたのだと思っていました。
つまり、ウィリアムをエレノアにくっつけてしまって、エマからウィリアムを引き離そうとする作戦なのかと。
ですがその後のハキムは、ウィリアムに対して、正々堂々とエマに告白したことを伝えます。
それはまるでウィリアムに、「お前も早く告っちゃえよ!」といわんばかりに。
ということで、前述のテニス対決は、ウィリアムの実力で勝利をものだったのですね。
ごめんなさい。
ハキムを腹黒く見ていたこちらの方が、腹黒かったようです。(苦笑)
ですが、流石にエロ本の立ち読みについては、自らの保身を考えてのことですよね?…
というかそれ以前に、19世紀末のイギリスでは、エロ本を立ち読みする紳士は、マイナスイメージに捉えられたのでしょうか?
この辺りの感覚が、もう一つ掴めないでいます。
さて、いつものアンティークショップでエマを待ち伏せるウィリアム。
この勢いでエマに告白するのかと思いきや、やっぱりいつも通りの二人。
だけどその二人の仲が確実に進展していることは、その二人の表情を見れば判ります。
自分はこの「表情を見れば」というところに、物凄く魅せられています。
特にエマは、喜怒哀楽をあからさまにしないキャラクタとして描かれています。
ですがその抑えられた表情の中にも、きちんと喜怒哀楽が描かれています。
このニュアンスを描き分けくる作品は、そうそう見られるものではありません。
ましてや『英國戀物語エマ』(監督:小林 常夫)は、TVシリーズです。
2005年は本当に、ハイクォリティTVアニメーションの年かも知れませんね。
それでは、よしなに。(敬称略)
| 固定リンク
「『英國戀物語エマ』」カテゴリの記事
- 【感想】『英國戀物語エマ』第十二章~スズラン~(2005.06.21)
- 【感想】『英國戀物語エマ』第十一章~過去~(2005.06.14)
- 【感想】『英國戀物語エマ』第十章~すれ違い~(2005.06.07)
- 【感想】『英國戀物語エマ』第九章~ひとり~(2005.05.31)
- 【感想】『英國戀物語エマ』第八章~時計~(2005.05.24)
「アニメーション」カテゴリの記事
- 【感想】TVシリーズ『CLANNAD -クラナド-』最終回「影二つ」(2008.03.28)
- 画質や音質が作品内容に与える影響について…(2008.01.21)
- 【感想】TVシリーズ『CLANNAD -クラナド-』第10回「天才少女の挑戦」(16:9と4:3の両立)(2007.12.28)
- 【感想】TVシリーズ『CLANNAD -クラナド-』第9回「夢の最後まで」 on BS-i(2007.12.21)
- 【感想】TVシリーズ『CLANNAD -クラナド-』第9回「夢の最後まで」 on MBS(2007.12.16)
「コミックス」カテゴリの記事
- 【感想】『らっきー☆ちゃんねる』遂に登場!柊姉妹!(2007.05.26)
- 【感想】『らき☆すた』第01話「つっぱしる女」"無"→"有"(2007.04.11)
- 【感想】『蟲師』第26話「草を踏む音」 on BS-FUJI(2006.06.19)
- 【感想】『ΠΛΑΝΗΤΕΣ』Last Phase「そして巡りあう日々」 on NHK-BShi(2006.01.09)
「テレビ」カテゴリの記事
- 【感想】TVシリーズ『CLANNAD -クラナド-』最終回「影二つ」(2008.03.28)
- 画質や音質が作品内容に与える影響について…(2008.01.21)
- 【感想】TVシリーズ『CLANNAD -クラナド-』第10回「天才少女の挑戦」(16:9と4:3の両立)(2007.12.28)
- 【感想】TVシリーズ『CLANNAD -クラナド-』第9回「夢の最後まで」 on BS-i(2007.12.21)
- 【感想】TVシリーズ『CLANNAD -クラナド-』第9回「夢の最後まで」 on MBS(2007.12.16)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
ども、「きつねのるーと」です。
ご指摘の車は、多分ガソリンエンジンのダイムラーベンツかと思うのですが、今度調べておきます。あの形の車は、以前宮崎監督の「名探偵ホームズ」(犬の擬人化アニメ)でも出てきたやつのはずです。
それから私は、ハキム君は本当にウィリアム君のことを親友だと思っていて、テニスに負けてやった(接戦の末負けてやった)ように、見ています。
(なんか逆らうような意見ばかりで申し分けないです)
あの辺は、ハキム君の感覚とわれわれの感覚がかなりかけ離れているため、エマさんへの想いとエレノアさんの気を引くことは同時進行で、進めて構わないと考えているからと見ました。
それはそうと、確かにすごく微妙な機微が描かれているのはすごいですね。確かに、今年は良作アニメが多い年といえますね。
ではでは
投稿: きつねのるーと | 2005/04/27 20:26
きつねのるーとさん、こんばんは。
公式ページの用語解説に、赤旗法が蒸気自動車に対するものとありましたので、そうタイプしました。
あのハキムのおもちゃのデザインを見て、判断したわけではないです。
自分には、そこまでの審美眼はないです。
一夫多妻制なことを考えるとそうかも知れませんが、どうでしょう?
これまでのウィリアムの描写を観ていると、実力の伴った坊ちゃんで、凄くいいヤツに描かれています。
社交会(?)をサボっているかと思えば、ダンスでエレノアをリードしてみせたり。
ですので件のテニス(?)も、実力だと思ったのですが…
この辺りは第五章以降、注意深く見ていこうと思います。
それでは、よしなに。
投稿: Akihiro Inda. | 2005/04/27 20:54
件の「赤旗法」は「馬なしで機力移動する車両」に対しての法律だったように覚えています。ですから、鉄道車両に対しても赤旗を持った先導者を立てないといけないことになっていたと物の本で読んだことがあります。
ただ、それがいつごろまで有効だったのかは?ですのでこれからの課題になりそうです。
それから、第5話ではハキム君はウィリアム君に対して勝ちに行くシーンが描かれてましたね。この後は、どうなるのか楽しみです。
投稿: きつねのるーと | 2005/05/03 22:27
きつねのるーとさん、こんにちは。
第五章の感想は、これからタイプします。
キャラクタの行動原理が"相手を思い遣る気持ち"にあって、凄く良かったです。
何だかじーんと来ました。
それでは、よしなに。
投稿: Akihiro Inda. | 2005/05/04 12:21