【感想】『バンパイアハンターD』
2001年のゴールデンウィークを、皆さんはどうお過ごしでしょうか?
自分は、たまたま立ち寄った上新電機日本橋1ばん館4Fにて、Pioneer VSA-D10TX(\250,000-) が展示品特価の \79,800-(税抜き)で売っていたのを見て、居ても立っても居られなくなり、結局夏のボーナス一括払いで購入してしまいました。
でも、その購入した Pioneer VSA-D10TX が初期不良品で、AVセレクタ及び、アナログプリメインアンプ部分しか動作しなかったり、その現品交換は一週間後になったりとまぁ、いろいろあったゴールデンウィークでした。(苦笑)
さて、そんな最中に鑑賞してきました『バンパイアハンターD』。
ファーストインプレッションは、素直に面白かったです。
アニメーションは当然のことながら、マッドハウス製作の劇場版クォリティ。
音響も DOLBY DIGITAL で収録されていますし、鑑賞したのはいつものワーナー・マイカル・シネマズ茨木4番スクリーンですので、映像としてはたいへん満足のいくものでした。
次に物語の方ですが、これもたいへん自分好み。
多少、マーカス兄弟の減り方や、バルバロイの里の三人衆の減り方に抵抗があったのですが、まぁオーソドックスなストーリィを圧倒的なアニメーションクォリティで魅せる作品だと思いますので、これはこれで構わないのでしょう。
でも出来れば、こういったところも自分寄りであって欲しかったです。
そうすれば、もっとこの『バンパイアハンターD』を好きになっていたことでしょう。
何せ、今時珍しい、「現世で一緒になれぬなら、あの世で一緒になりましょう」てな話ですから。
しかもその「あの世」が、東尋坊の崖下や富士の樹海ではなく、ロケットで舞い上がる宇宙ですから・・・
たいへん懐の深い、ファンタジー作品だと思いました。
さてこの作品は、日米共同製作とのこと。
そのためかどうかは分かりませんが、自分が観た『バンパイアハンターD』は、前編英語で収録されていまして、画面下に日本語字幕が表示される仕様になっていました。
その結果自分の場合、目で字幕を追っている間に場面が展開され、作品に付いていけなかったこともしばしば。
またその反対で、ハイクォリティな映像に目を奪われている間に、読み終えてない字幕が次のものへ切り替わってしまったこともしばしば。
矢張り、台詞は目で読むものではなく、耳で聞きたいと思いました。
勿論これは洋画全般にいえることで、自分は「洋画を吹き替えで観てはいけない」という意見には反対です。
映像は、画も音も愉しめて、初めて映像だと思います。
さて話を『バンパイアハンターD』に戻しましょう。
面白かったのか? うん、面白かった。
ではもう一度観たいのか? ・・・どうだろう?
確かに、あの映像はもう一度観ておきたいが、あの物語をもう一度堪能したいか?と問われると、どうも首を縦に振りにくい。
どうしてだろう?
矢張りこの原因は、あの分かり易さにあるのではないのでしょうか?
物凄くオーソドックスな話ほど、何かしらの引っ掛かりがないと、凡百の作品に埋もれてしまうのではないか。
自分はいつも、そんなことを思っています。
その点『バンパイアハンターD』には、「ファンタジー作品にロケット」という、思いっ切りなギミックを持ち込み、大いに引っ掛かりを憶えさせてくれるので、決して凡百の作品には埋もれていないと思うのですけどね。
・・・結局のところ、日本語吹き替え(?)でもう一度観てみないと、『バンパイアハンターD』に対する自分の感想が、見い出せないでいます。
これに対して、「それは日本語字幕作品を見慣れていないからだ」という意見がありましたら、それは甘受いたします。
それからエンディングテーマ、Do As Infinity の「遠くまで」。
一緒に観た友人の一人は、「内容は面白かったけど、エンディングテーマはクソ」といっていましたが、自分は単純に良い曲だと思いました。
ですが、劇中のBGMとのギャップがかなりありましたので、『バンパイアハンターD』のエンディングテーマとしてはどうか?という印象を抱いています。
しかし、一緒に観たもう一人の友人は、「EDが日本語で不評のようでしたが 歌詞がそれなりに作品を意識したモノだったので 制作者サイドが考え抜いた結果だと思います。」とのこと。
ですが、歌詞は全くといっていいほど憶えていないので、この辺りの判断は保留にしたいと思います。
以上
2001/11/04(Sun)
ちょっとだけ、感想文を追加してみようと思います。
昨日(2001/11/03)放送の『林原めぐみの Heartful Station』に於いて、林原さんが『バンパイアハンターD』についてお話しされていました。
この作品はハリウッド録音だそうなのですが、何もいいこと尽くめではなかったそうです。
ロケットの打ち上げシーンでは、現地スタッフはバリバリといかにもロケットが上がっていくようなリアルなSE(効果音)を付けられたそうです。
ですが音響監督の三間さんは、このSEには泪するような音を付けたかったそうです。
ロケットの爆音が泣いているようなSEを・・・
そこでその想いを現地スタッフに伝えたそうですが、こういった日本的なニュアンスはなかなか伝わらなかったそうです。
そのまま赤子の泣き声を付けられたりとか・・・
それで三間さんは最終的に、イルカの鳴き声を持ってきて、あのロケットのSEに重ねられたそうです。
林原さんは、「こういった感性を持っている方と仕事ができて、とても幸せです」といわれていました。
そして、「こういった話をみんなに聞いて貰える場(御自分のラジオ番組の意)を持っていることも」と、続けられました。
自分もこういったお話を聞けて、良かったと思います。
矢張り「表現」というものは、上辺からではなく、内面から滲み出てくるものなんですね。
そして、こういった微妙なニュアンスをも享受しようと思えば、それこそ普段から、自分の心を豊かにしておくことが必要なのでしょう。
以上
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