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2001年2月

2001/02/12

【感想】『狗神』&『弟切草』

 先日入会したマイカルカードがようやく手許に届き、ワーナー・マイカル・シネマズ茨木の無料招待券が同封されていましたので、再びワーナー・マイカル・シネマズ茨木へと足を運びました。

 ということで、『バトル・ロワイアル』に引き続き、今回は『狗神』&『弟切草』を観てきました。
 前回と同じく、事前情報は殆ど仕入れていません。
 前者は全く知らないですし、後者はCHUNソフトのSFC用ソフトぐらいしか知りません。
 ですので、今回も世間に左右されない自分の粋な感想がタイプできたと思うのですが、いかがでしょうか?

 さて今回鑑賞したのは6番スクリーンでしたが、前回鑑賞した3番スクリーンと、座席やスピーカ構成などは同じように見受けられました。




 『狗神』 (監督:原田 眞人)

 登場人物のその殆どが方言を話し、雄大な森林が劇場作品らしい大らかな俯瞰アングルで広がる絵作りは、非常に統一感があり、観ていて大変心地よかったです。
 また、『バトル・ロワイアル』と同じくR-15(15歳未満鑑賞禁止)指定ということもあり、不自然にバストやニプルを隠すこともなく、これまた観ていてストレスを感じなかったです。

 さて物語の方ですが、最初は台詞の殆どが方言ということもあり、理解しがたいかな?と身構えたのですが、そんなことは殆どなく、すんなりと理解できたつもりです。
 その内容は、自分が思い描く典型的なジャパニーズホラームーヴィーだったのですが、前述の心地よい映像が加わることにより、流石は劇場用作品と納得しながら観ていました。
 エンドロールから、栃木県や山梨県の山中を撮影していたそうですが、「これが本当に日本なのか?」と疑いたくなるほど山深いその森は、雰囲気充分。
 CGなどでは絶対に味わえない、自然の豊かさを堪能できました。

 しかしながら、観終えた後、もう一度観たくなったのか?というと、これはNOです。
 輪廻転生ものというのは、どうしてもマンネリ傾向にあり、自分には一度鑑賞すれば充分というレッテルが拭えません。
 そしてこの『狗神』も、残念ながらその範疇にある作品だと思います。
 ですが、この『リバー・ランズースルー・イット』にも匹敵する自然の描き方は、一見の価値があったと思います。




 『弟切草』 (監督:下田 天)

 さて、この作品の感想に入る前に・・・
 まず自分は、所謂「3D酔い」をしやすい体質の持ち主です。
 「3D酔い」というのを簡単に説明しますと、眼球からの情報と三半規管からの情報の不一致から、気分が悪くなることを言います。
 他人の視線で撮影した映像をあとからモニタで観ると、視覚からは激しく動いている情報が流れ込んでくるのに対して、平衡感覚からは静止しているという情報しか流れ込んできません。
 この時、自分の脳がこのバラバラの情報を処理し切れなくなると、その人は大変気分が悪くなります。
 ですから自分は学生時代、自分で撮影したビデオの映像を後で観直しながら、いつも気分を悪くしていました。
 またこれら以外にも、Genkiの『KILEAK,THE BLOOD』や『BELTLOGGER 9』といった、パイロットビューリアルタイムポリゴンゲームをプレイしながら、大変気分を悪くしていました。

 さて、そんな自分が臨んだ映画『弟切草』。
 はっきりいって、冒頭10分で音を上げてしまいました。
 自分はすぐに音を上げてしまいましたので、いったい何十分続いたのかは判りませんが、この映画の前半しばらくはずーっと、主人公の一人である松平公平(斉藤陽一郎)の視線で映像が展開されていました。
 しかも、ただ映像が展開されているだけではなく、その映像は主人公が劇中でDVCPROにて撮影した映像とリンクしています。
 ですから画面には、もう一人の主人公、菊島奈美(奥菜恵)の横顔が映り続けていました。
 こういった演出自体はさして珍しいものではないのですが、これを延々と続ける作品というのは、自分はこの『弟切草』が初めてです。
 まだ終わらないのか?まだ終わらないのか?と心の中で呟きながら、出来るだけスクリーンを観ないよう、横を向いていました。
 無料チケットで入場したのだから、このまま帰っても金銭的には損はしない筈なのに、根から守銭奴は劇場を跡にしない・・・
 その間にも主人公カップルは、洋館の中を一部屋一部屋丹念に周り、壁に掛けられている人物画などを調べていきました。
 勿論、アングルは主人公視線で。(ゲロゲロ)
 この洋館の中を一部屋一部屋回るというシチュエーションに自分は、『弟切草』よりも『夢見館の物語』を思い浮かべていました。
 特に、洋館の至る所に人物画が飾られているというところが、そのものだなぁと。

 そうこうしているうちに、劇中にてDVCPROのバッテリィがなくなり、ようやく元の視点に戻りました。
 さて、腰を据えて作品に臨むかな。と思いきや、まだ気分の悪さが尾を引いていましたので、それほどスクリーンに集中できませんでした。
 で、なんだかんだでラストシーン。
 公平は、エントランスの2階から転落死。
 奈美は、燃え上がるアトリエでカンヴァスを描き殴りながら、洋館から抜け出すことはなく、庭には何事もなかったように弟切草の花が咲いていた・・・
 この映像をモニタ越しに見詰める奈美。
 「なかなか。じゃぁ、次、私が作ったエンディングいってみようか」
 と言いながらクリックをすると、これまでの映像が高速巻き戻し。
 2階から転落した公平が死んでいない。というシチュエーションからリスタート。
 そして今度は公平が奈美を助け出し、庭から燃え上がる洋館を見上げる2人。
 すると何者かが、奈美の足首をがっちりと掴む。
 驚いて足許を見るとそこには、地中に埋もれた階沢蒼一の姿が・・・
 この映像をモニタ越しに見詰める奈美。
 「私、こんなの作ってない」
 そして流れ出すエンディングテーマ、唄うは THE YELLOW MONKEY 。
 またこの映像がカッコイイ。

 いやぁ~、観始めた途端に「3D酔い」で気分が悪くなり、この映画をちっとも愉しめなかったのですが、この最後の数分間は大変愉しく鑑賞しました。
 終わりよければ総て良し。
 まさにそんな感じで自分は、夜のワーナー・マイカル・シネマズ茨木を後にしました。

 という訳でこの映画も、もう二度と観たくない映画となりました。ちゃんちゃん

 しかしながらこの作品、開き直りではなく、そのある種のチープさをもって意欲的にゲームを取り込もうとしていた、希有な作品であったと思います。
 これまで、映画を取り込もうとしたゲームは数あれど、ゲームをここまで取り込めた映画は少ないのではないでしょうか?
 特に劇中、映像を巻き戻して、違う行動を取った場合の映像が流れ始めるという演出は、この映画は初めてなのではないでしょうか?

 ということで、「3D酔い」は平気という方にはこの映画、観る価値があると思います。

 以上

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